おはようございます。我孫子市議会議員の久野晋作です。
昨日のブログ「行政機関は何の為に市民や外部の声を聴くのか?」で報告いたしましたとおり、平成27年7月に千葉県から移譲された「手賀沼親水広場」と「水の館」に関し、今議会の論点である【議案第10号】「
我孫子市手賀沼親水広場の設置及び管理に関する条例」が上程され、昨日、所管する環境都市常任委員会で議案審査が行われました。
審査の模様は、いつものとおり会派室からインターネット議会中継を通じて視聴しましたが、お昼休みを挟んで長時間に渡り審査が行われ、質疑が出尽くした後の委員会採決では、委員長を除く委員のうち、賛成5名、反対2名となり、所管を預かる委員会としては、多数をもって可決すべきと判断した形となりました。
私は、基本的立場として農業振興に寄与せんとする施策に対して反対の立場を取る訳ではありません。そのことは誤解無きよう明確にお伝えしておきたいと思います。しかしながら、市長をはじめとする市当局の「農産物拠点施設の開設にかかる一連の政策立案および事業の進め方」には大きな疑問を抱いていると共に、
市政運営において悪しき慣例を形作ってしまう事への懸念を抱いています。
質疑の中で特に気になったのが、指定管理者制度の導入目的との整合性についての西垣委員からの質問に対する担当課長の非常に苦しい答弁でした。このやり取りに全てが凝縮されているように私は感じました。
具体的には、
指定管理者制度の根幹である「目的」に合致していないことが頭では分かっており、
政策の立案および実行に際し、無理に無理を重ねていることで仕組み上、整わない部分が数多有ることも分かっているにも関わらず、それらに目をつぶってもらうことを期待し、情に訴えるような形で施策への合意を取り付け、推進して行こうという姿勢です。
ちなみに、担当課長に一連のすべての責任が有るとは基本的に考えて居ません。回りまわって担当することになった課長としての立場上の厳しさや苦しさ、一方、施策の推進にかける意気込みは理解する所です。こうなってしまうのも致仕方ないと感じる部分は大です。だからと言って、
こうした課題や筋道の通って居ない現状を良しとする事は出来ません。私達の会派は、反対を前提とするのではなく、農業振興を前提として、この間、課題の解決や改善のための提案も行って来ましたが、それらが登用され斟酌された形跡は残念ながら見られませんでした。
「聴き置かれた」というのが率直な受け止め方です。
市民サービスの向上と経費の節減を図るため指定管理者制度を導入しています
●我孫子市では、平成18年4月から市が設置した文化施設や社会福祉施設など「公の施設」の管理運営に「指定管理者制度」を導入しています。
●指定管理者制度は、平成15年の地方自治法の改正によってできた新しい制度です。
●これまで「公の施設」の管理運営は市の出資法人などの公共的団体にしか委託できませんでした。
●しかし、指定管理者制度の導入により、民間の事業者やNPO法人、ボランティア団体など幅広い団体の中から、市に代わって管理する団体(指定管理者)を指定できるようになりました。
●公の施設の管理という公共サービスに民間の能力やノウハウを活用することで、市民サービスの向上と経費の削減を図ることを目的としています。
上記は、指定管理者に就いての市の考え方です。
平成15年9月施行の地方自治法の一部改正により、公の施設の管理について「指定管理者制度」が創設されました。これにより、従来は地方自治体の出資法人等に限定されていた公の施設の管理が、民間企業や各種法人、その他の団体も行うことが可能となりました。
指定管理者制度導入の目的は、公の施設の管理に民間のノウハウや活力を活用することで公共サービスの向上とともに、経費の削減等を図ることにあります。
上記は、昨日紹介した「
我孫子市指定管理者制度導入指針」の「指針の位置付け」において、指定管理者制度の導入目的が述べられている一節です。
二つの規定で明らかなように、我孫子市が指定管理者制度を導入している主目的、いうならば、
この制度に期待する政策効果は、@公共サービス(市民サービス)の向上、A経費の削減の二点です。
この二点を達成することを
大前提として、農産物拠点施設の管理運営に「指定管理者制度の適用」を図るのであれば、「なるほど」となります。
しかしながら、この間の市当局からの説明、そして今議会における本会議や所管の常任委員会の質疑を通しても実態はそうではないのが明白です。
原理原則にこだわるあまり、目的を見失い、達すべき便益を市民に提供できない、または、市の利益にならなくなることは避けねば成りません。
とはいえ、公金を預かり、その公金をタネセン(原資)として各種の政策立案をし、議会における審査と議決を経た後に、行政事業を展開して行くことを認められている行政運営の要であり、
規範意識の無い行政運営が当たり前に罷り通って行くとすれば、市民の負託をいただいき議会審査および議決の場に臨む者として、到底認める訳には行きません。様々な事情は有れども、手続き上の瑕疵、落ち度、抜けがあれば、それらと真摯に向き合い、賛否を含めて真摯に指摘を受け止めた上で、昇華させて行くことが肝要です。それが市民と行政との信頼関係であり、議会と行政との信頼関係を構築していく上で不可欠
「筋道(物事の道理、物事を行うにあたっての踏むべき順序・手順)」だと私は考えます。
智に働けば角が立つ。
情に掉させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟ったとき、詩が生れて、絵ができる。
人の世を作ったのは神でもなければ鬼でもない。
やはり向う三件両隣にちらちらするただの人である。
ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。
あれば人でなしの国に行くばかりだ。
人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくいところをどれほどか、
寛容て(くつろげて)、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。
上記は、夏目漱石の代表作である「草枕」の有名な一節です。
この冒頭のフレーズが期間中、頭の中で“グルグルぐるぐる”とリフレインしています。
▼
本日、午後一時から、
平成28年第4回定例会(12月議会)予算審査特別委員会が開会され、委員として当該議案も関係する「
(議案第13号)平成28年度我孫子市一般会計補正予算(第3号)の審査」に臨みます。
論点はこれだけではありませんが、
「筋の通った市政運営」を目指して、入力不力で臨みたいと思います。
なお、審査状況は
我孫子市議会議会(ネット)中継にてご確認いただけます。現在の所、お手持ちのスマートフォンや、ブラウザ等の環境によっては閲覧できませんが(来年改善予定)、直接の傍聴も含めて、審査にご注目いただければ幸いです。
posted by 久野晋作 at 09:54| 千葉 🌁|
議会報告(一般質問他)
|
|