以前の日記や3月の議会質問でも取り上げましたが、これから先、我孫子市は大型の事業が目白押し状態です。
しかし、財政状況は決して良くはありません。
(むしろ悪化の傾向が見受けられています)
無い袖は触れませんから、事業選択をせざるを得ません。
そんな中、図書館を作り、我孫子駅舎の改修を行うための資料(計画)が提示されてきます。一般的に、市民は財政事情には詳しくはありませんから、このような計画が提示されれば、計画通りに物事が運んでいくものと考えます。でも、実際にはそんなことは出来はしません。
「現実から目を背け、身の丈を超えることを行うとどうなるか?」については、夕張市の財政破綻が雄弁に物語っています。
■これから待ち受ける(既にある借金の償還)事業の山々。
⇒2006年12月18日「事業選択の重さ。」
@成田線増発…概算予算上、一番安くて5億(うち我孫子の負担は?)
⇒※増発に備えるための成田駅の改修工事の費用として。
AH20我孫子駅舎大改修(エレベーター一基で2.2億〜;南北自由通路の開設&駅舎の改修費用と併せれば⇒数十億〜
BH22湖北地区図書館の整備(H22開館?)⇒数十億〜
CH24クリーンセンター(全事業費約78億。うち、市の負担は8-9億。基金残高は5.3億)
D校舎大規模改修工事(まだ半分以上残っています…)
EH19〜湖北駅北口整備(エスカレーター・エレベーター設置工事含む)
FH21〜新木駅エスカレーター・エレベーター設置工事(2008基本計画、2009実施計画)
G布佐水害対策(大割土地取得;数十億?〜ポンプ設置)
H若松水害対策
I天王台流域水害対策
J市民会館(800人規模のホールで30億〜)…取り壊し費用だけでも2億円!
こうして並べてると、如何に大型の事業を積み残しているかが分かりますが、昨日(ざっとですが)整理をしていて、目が点になりました。
うち、Iの天王台流域水害対策には、既に「○十億」のお金が投入されています。この事業については、私が議会に入る前に既に決まっていたもので、どうにも出来るものではありませんでしたが、「優先順位や事業規模・内容に関して、果たして正しい選択だったのだろうか?」と、疑問が残っています。
■今年もやります!
そんな中ではありますが、昨年に引き続き、今年も予算編成過程を公開し、市民からの意見を募集するとの発表がありました。
2007(平成19)年度予算の編成状況(新規事業)(第1回)
「各部署からの要求額に対し、現在一般財源充当可能額は、約4億8,000万円しかありません。」というコメントがオチのようになっていますが、これが今の我孫子市の偽らざる現状です。
今後の大型事業(大幅な財政支出を伴う事業)の一覧公開を
⇒2007年03月06日「質問詳細その参(平成19年3月議会一般質問)」
・これからの広報においては、「良いこと」ばかりを報告していくのではなく、事業リスト・コスト・リスク・デメリットなどもシッカリと報告していただきたい。
・例えば、今後10年間に計画(予定)されている大型事業(図書館・市民会館・近隣センター・クリーンセンターの改修…)などを概算事業費と共に一覧にする。
・想定される、デメリット(マイナスの影響)についても、シッカリと伝える。歳入面も踏まえて、その事業が本当に実現可能なのか?を、(優先順位や必要性も含めて)市民に考えてもらうキッカケになると考える。
>財政状況は決して良くはありません。
とのことですが、例の日立精機跡マンション開発等によって我孫子市の人口は自然増以外に相当の人口増があったと思われます。
当然相応の税収増はあったはずで、
>「各部署からの要求額に対し、現在一般財源充当可能額は、約4億8,000万円しかありません。」
はどうなんでしょうか?
素人的疑問ですが、解説していただけると幸いです。
ブログへの投稿ありがとうございます。コメントへの返信が遅くなり誠に申し訳ありません。以下、大量となりますが、回答させていただきます。
久野晋作
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■とうかつ素人さん:wrote■
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>いつも興味深く読ませていただいております。
>>財政状況は決して良くはありません。
>とのことですが、例の日立精機跡マンション開発等によって我孫子市の人口は自然増以外に相当の人口増があったと思われます。当然相応の税収増はあったはずで…
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■回答@
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添付させていただいた表は、市の決算カード(決算状況をまとめたもの)から私が作ったオリジナルなものですが、「市税の推移」をご覧下さい。
https://shinsaku.up.seesaa.net/image/BBD4C0C7BFE4B0DC3-17A1CABFCDB8FDA1CB.pdf
https://shinsaku.up.seesaa.net/image/BBD4C0C7BFE4B0DC3-17A1CAA5B0A5E9A5D5A1CB.pdf
人口は増えているものの(微増)、その影響が出るはずの「個人住民税」は減っていることがお分かりいただけると思います。
平成7年(人口;124,003人)
9,996,940(千円)…約100億
↓ ↓ ↓
平成17年(人口;131,838人)
7,811,224(千円)…約78億
(年度末)人口は約7,800人増えていますが、収入となる個人住民税は22億円減っています。
つまり、「人口増=税収増」という単純な図式は、経済成長期ではない現下においては成り立たないということが判ります。
団塊の世代の方々(高所得層)の退職に伴い、担税力の高い層がまとまって居なくなっていることも影響していると思われます。
その意味において、単純な人口増政策だけでは、ことの解決にはならないという深刻な問題も浮き彫りに成っていることが判ります。
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>「各部署からの要求額に対し、現在一般財源充当可能額は、約4億8,000万円しかありません。」はどうなんでしょうか?素人的疑問ですが、解説していただけると幸いです。
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■回答A
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予算編成時の市の考え方については、下記ページをご参照頂ければ幸いですが、簡単に言えば、市の抱えている課題に対して自由裁量で使えるお金は当初は4億8千万しかなく、市の貯金等を取り崩すことによって財源を捻出して予算を組んでいるということです。
とても余裕が無く、毎年毎年、やり繰りをしないと予算措置ができないというのが現状です。これは、我孫子市だけに限った事ではなく、一部の裕福な自治体を除いた全国的な問題といえます。
http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/15,24232,80,55,html
●一般財源充当可能額(第1回12月18日現在)約4億8,000万円
●一般財源充当可能額(第2回12月28日現在)約9億8,000万円
●一般財源充当可能額(第3回1月18日現在)約11億4,000万円
●一般財源充当可能額(第4回2月2日現在) 11億9,575万円
一般財源充当可能額は、財政調整基金から7億1,500万円(第3回は6
億6,600円)、減債基金から8,000万円(第3回も同額)の繰り入れ
を見込み、11億9,575千万円となりました。
〔用語の解説〕 *5
一般財源充当可能額
市税などの一般的な収入(見込み)から新規事業以外の費用を差し引いた額に
財政調整基金及び減債基金からの繰り入れ金を加えた額。
なお、新規事業以外の費用については、地方債の返済など義務的経費を除き、
今年度に比べ概ね7%減額し各部局単位に配分しています。また、人件費につい
ても、減額を予定しています。
■ 新規事業採択の概要
今回は、事業の優先度に基づいて、採択する事業と不採択にする事業の選定
をするとともに、採択した事業費の査定を行いました。この結果、2007年
度に実施する事業の数は111に、事業費(一般財源)は11億9,575万
円になりました。
なお、第1回と第2回は企画調整室がランク付け及び事業費の査定を行いま
したが、第3回と第4回は市長が査定を行いました。