「原爆正当化、抗議せず」と官房長官 米特使発言
2007年07月06日02時56分 asahi.com
塩崎官房長官は5日の記者会見で、米政府のロバート・ジョセフ核不拡散問題特使が広島、長崎への原爆投下を正当化する発言をしたことについて、「発言の性格は個人的に行ったものだと聞いている」と述べ、日本政府として抗議しない考えを示した。
塩崎長官は「抗議をすることよりも、人類にとって多大な悲惨な結果をもたらす核兵器が、将来二度と使用されることがないように核廃絶に向けての取り組みを強めていくことが大事ではないか」と語った。
たとえ個人的に発言したものだったとしても、【核不拡散問題特使】という責任ある立場にいるものが、このような発言をして、唯一の被爆国として、このような発言を右から左へと受け流すということは許されることなのでしょうか?
言われっ放し、要求されっ放し、搾取されっ放し。
これで本当に良いのでしょうか?
これで主権国家といえるのでしょうか?
こんな政府をもつ国民は不幸としか言いようがありません。
「国民の民度を超える政府(政治)は期待できないもの」と言いますが、主権者意識が我々に強く根付かない限り、その総体としての国家が主権国家足り得ることはないということなのかも知れません。
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でも、日本国民はそんなに愚かではないと思います。
先日の「その時歴史が動いた」では、石橋湛山を取り上げていました。
独立国家日本、主権国家日本として歩むべきビジョンを明確に持ち、どんな圧力にも物怖じせず、「言うべきをいい、為すべきを為す」を貫いた石橋湛山。
こうした政治家が日本には居たのです。
私たちの先人たちは、草葉の陰から今の日本をどのような思いで見ていることでしょう。
番組概要
第294回
冷戦の壁を破ろうとした男
〜石橋湛山・世界平和への願い〜
放送日
(本放送) 平成19年7月4日 (水) 22:00〜22:43 総合 全国
(再放送) 平成19年8月24日(金)1:05〜1:48(木曜深夜)総合 全国(近畿のぞく)
※再放送の予定は変更されることがあります。当日の新聞などでご確認ください。
その時: 昭和34(1959)年9月17日
出来事: 石橋湛山が周恩来に日中米ソ平和同盟の構想を示す
戦前、日本がアジア侵略を進める中「日本は植民地をすべて放棄すべきである」と帝国主義を真っ向から批判した男がいた。経済誌「東洋経済新報」の記者、石橋湛山である。
湛山は植民地経営の経済的非合理性を説き、大東亜共栄圏の思想を否定したために国家から弾圧を受ける。それでも主張を曲げなかった湛山は戦後、吉田茂から経済立て直しを託されて大蔵大臣に就任。「世界平和を実現し貿易立国として生きる小日本主義」を掲げる。ところが東西冷戦構造が深まり日本が共産主義の防波堤の役割を担わされると、湛山は冷戦構造の打破に動き出した。
昭和31年、内閣総理大臣に就任した湛山は中国・ソ連との関係回復を目指すが、アメリカと激しく対立。その矢先、病に倒れ退陣を余儀なくされる。しかし、悪化する中国との関係を憂えた湛山は病をおして訪中を実現。周恩来に直接「日中米ソ平和同盟」構想を訴えた。それは冷戦構造に風穴をあけようという画期的なものだった。この提案に周恩来も同意。その後日中貿易が本格的に再開され、日中国交回復の礎を築いた。
戦前・戦後を通して平和のために闘い続けた石橋湛山の不撓不屈の生涯を通して日本の針路を見つめ直す。