暖房もなかなか効かないような底冷えする寒い1日となりましたが、本日から本会議場における一般質問が始まりました。平成30年第4回定例会(12月議会)一般質問日程・要項はこちらです。一般質問は、水曜日までの三日間行われます。
一般質問は本会議において、議員が個別の議案とは別に、市政の諸課題や市長以下執行部の考え方・執行状況に対して質疑や提案・要望を行うものであり、我孫子市議会においては、6月と12月議会については個々の議員からの質問(個人質問)が行われ、3月と9月議会においては会派を代表して行う代表質問と合わせて個人質問が実施されています。
*ご参考:我孫子市議会における「会議の流れ」
さて、表題の件です、
2番目に登壇した飯塚議員に対して、星野市長から反問権が行使されましたが、「当該反問権(二つ目)の行使内容」について議会が紛糾し、議会運営委員会が急遽開会され、約1時間ほど議事が止まるという事態になりました。
「反問権はどこまで許されるのか?」が論点でした。
我孫子市議会では、平成26年第4回定例会において我孫子市議会基本条例を全会一致で制定していますが、「執行部への反問権の付与」については、平成23年第一回定例会から行なっていました(〜我孫子市議会における主な議会活性化に関する歩みはこちら〜)。
反問権の導入初期にも、その行使について混乱があったことから、反問する際のルールを明確化しており、議会基本条例の逐条解説(p7)においてその旨を明記しています。
第4章 議会と行政の関係
(議会と市長の関係)
第7条 議会は、市民の意思を代表する合議制の機関として、二元代表制の趣旨を踏まえ、常に市長と健全な緊張関係を保ち、市政発展に取り組まなければならない。
2 議長から本会議及び委員会に出席を要請された者は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質疑及び質問に対して、論点を明確化し議論を深める目的で反問することができる。
※第7条は議会と市長との関係における議会の責務を定めるものです。平成23年3月定例会から我孫子市議会会議規則・我孫子市議会委員会条例を改正し、市長等に反問権を与えていますが、反問する際のルールを明確にしました。
※反問とは:市長等は、本会議または委員会において、議員の質疑及び質問に対して答弁を行いますが、議員の質疑及び質問に対して論点を明確化し議論を深めるため、市長等が逆に質問できることです。
記載のとおり、反問権付与の目的は「質疑の論点を明確化」させ「議論を深める」ためなのですが、市長が行なった2回目の反問は、その趣旨とは明らかに異なるものであったことから、議会運営委員会における協議の結果、市長が行なった反問は認められず質疑が再開されることになりました。
ちなみに、その後の飯塚議員とのやり取りにおいても、穏やかならぬやり取りとなり、後味の悪いものになったことはとても残念でした。
「聞かれたことに答える」
これが基本であり、議会答弁における大前提です。
この前提を抜きにすると、互いに噛み合わない「意見表明」を繰り返すだけとなり、何ら生産的なものになりません。
この世に自分と全て同じ考えを持つ人は先ずいません。
政治の場においては尚の事です。
価値観も様々ですから、意見や考えの相違が出る事は当然です。
でも、だからと言って、好き嫌いで物事を判断し、態度を決めるとしたらどうなるでしょう?
この前提を抜きにすると、互いに噛み合わない「意見表明」を繰り返すだけとなり、何ら生産的なものになりません。
この世に自分と全て同じ考えを持つ人は先ずいません。
政治の場においては尚の事です。
価値観も様々ですから、意見や考えの相違が出る事は当然です。
でも、だからと言って、好き嫌いで物事を判断し、態度を決めるとしたらどうなるでしょう?
物事が好転するはずはなく、むしろ、その溝はますます深くなる一方です。
相違がある中でも、意見は意見として真摯に受け止め、誠実に回答した上で自身の意見を述べる。
こうした横綱相撲を期待したいところでしたが、残念ながら叶わぬ夢のようです。
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直接議場で傍聴されていた方、インターネット議会中継を拝見されていた方は、協議の経過や、反問権に関する「この間の経緯」が分からないため、さぞや困惑されていたことと思います。
議会の運営は「ルール」に基づいて行われるものであり、「制度の主旨」から逸れる運用を認めていくと「何でもあり」になってしまう為、そうしたことは厳に慎まねばなりません。
本会議や委員会における運用(ルール:条例や規則等)についての解釈について疑義が生じるものについて、議長の諮問機関である議会運営委員会において協議に諮られることがままありますが、常識的な見地から、「それはないだろう…」というものもあるわけです。
我孫子市議会における反問権は、我孫子市議会議会基本条例および当該逐条解説に明記しているとおり「議員の質疑及び質問に対して論点を明確化し議論を深めるため」に行われるべきものであり、議員個人の政治姿勢を問うものとして設定したものではありません。
年明けに市長選が行われることから、勢いこうした対応になってしまったのかも知れませんが、とても残念な対応でした。
最後に質問を行なった内田議員とのやり取りも、非常に残念でした。
自治体の代表者であり顔である市長には、「君子」であって欲しい。
議会人としてだけでなく、
ひとりの市民としての切なる願いです。