2018年06月29日

学校施設のブロック塀等に関する確認状況について(6月27日時点)

大阪北部地区を中心とする地震から10日が経過しました。被災された皆様にお見舞い申し上げますと共に、お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

<学校施設のブロック塀等に関する確認状況について(6月27日時点)>
高槻市内の小学校でブロック塀の倒壊により児童が亡くなられたことは本当に痛ましい限りでしたが、27日に開催された「我孫子市 定例教育委員会」の冒頭の事務報告において、発災の翌日から行われた市内小中学校におけるブロック塀等の設置・点検状況および対応方針の報告がありました。


「2.2メートルを超える違法建築に該当するブロック塀は見当たらない」とのことでしたが、
○耐震強度や設置状況等の仔細については現在取りまとめ中であること。
○危険と認識されるブロック塀については、撤去・一部カットする考えであること。
○急迫危険な状況にあるブロック塀は見当たらないことから、当該工事については夏休み期間中における対応を予定しており、現在、業者さんと対応について調整中であること。
○工事対応が、夏休みのプール開放に当たる場合、工事を優先するため、プール利用については市民の理解を求めて行くこと(HP等にて案内を予定)。
などが報告されました。


<通学路等におけるブロック塀について>
学校施設のみならず、危険と思われるブロック塀等は少なくありません。ブロック塀のみならず、大谷石を積み上げた立派な塀を設置されている方も少なくなく、崩れて来たら大人でもどうにもなりません。公共施設については、市の責任において(改めて)対応が図られているところですが、「それ以外のもの」については、私有財産であることから、市の権限で除却・補強等の対応をすることは難しいのが正直なところです。

先に行われた6月議会・環境都市常任委員会の所管事項の審査において、内田議員からブロック塀等の耐震問題について質疑をしていただきましたが、「(私有物のため)改善対応を依頼するに留めざるを得ない」旨の答弁に止まりました。

行政領域を超える私有財産の管理については、あくまで所有者の責任により対応していただかざるを得ないものの、他の自治体において実施しているように、政策的な誘導(改修費用についての補助対応などによる「動機付け」)も検討する必要があると感じるところです。

ちなみに、無機質なブロック塀を生垣に改修すると、単に耐震補強等に止まらず、良好な住宅環境の整備にも繋がります🌿

参考:佐倉市「危険コンクリートブロック塀の除去・生垣転換への助成
参考:安曇野市「生垣設置・ブロック塀撤去費用の補助をします。(安曇野市緑のまちづくり事業)」


▼今できることは、すぐにやる(善は急げ!)

鉄は熱いうちに打てと言いますが、危機意識のある今だからこそ、行政(市当局・教育委員長・各学校・各PTA等)から市民に対して「出来うる限りのことを投げかけるべき」と考えます。

ブロック塀の倒壊による人的被害、また狭い路地などにおける復旧活動等に関する障害になることついては、今に始まったことではありませんが、「のど元過ぎると忘れられてしまう」典型的な事例と言えます。

下記は、国交相が提示している<ブロック塀の点検のチェックポイント>です。

ブロック塀 点検チェックリスト(国交省).png

ブロック塀 点検チェックリスト.pdf

「あんしんなブロック塀をめざして」
社団法人 日本建築学会 材料施工委員会 組積工事運営委員会 ブロック塀システム研究小委員会



▼所有者責任、管理者責任(民事責任、刑事責任)

自己が所有する土地工作物(設置物)等により、他に損害を与えれば、法的責任が生じる可能性があります。民事上の責任においては、損害賠償を求められる可能性があり、刑事上の責任においては、過失致傷罪・過失致死罪等が問われる可能性があります。

補修・改修は、厄介で面倒なことであり、改修費用も生じることから二の足を踏んでしまうことも理解できますが、地震大国である日本において、いつ何時、こうした事態が身に降りかかるか分かりません。もちろん、人的な被害をもたらしてしまえば、取り返しがつかない事態になります。

思い立ったが吉日です。

可及的速やかに、対応を図っていきましょう!




posted by 久野晋作 at 18:30| 千葉 ☀| ■震災・災害関連情報■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする