2017年03月21日

「ならぬものはならぬ」…私たちの会派が「平成29年度予算案他」に反対した理由について

おはようございます。
我孫子市議会議員の久野晋作です。

先週15日に閉会した平成29年第一回定例会の最終日の採決に先立ち、会派を代表し、議案第12号:「指定管理者の指定について」および議案第20号:「平成29年度我孫子市一般会計予算」に反対の立場で討論いたしました。

以下、当日の討論原稿です。

言い回しが異なる部分が若干ありますが、その点ご容赦いただければ幸いです。

🔴平成29年度予算案他 反対討論
Nextあびこの久野晋作です。

私は、会派を代表し、議案第12号:「指定管理者の指定について」および議案第20号:「平成29年度我孫子市一般会計予算」に反対の立場で討論を致します。

はじめに、議案第12号「指定管理者の指定について」反対する理由を3点述べます。

この議案は、6月にオープンが予定されている我孫子市農業拠点施設を管理する指定管理者を「株式会社あびベジ」に指定するものです。

一点目の反対の理由として、私どもの会派では、この間表明して来た通り、当該施設の管理運営に際し、指定管理者制度を導入することに、そもそも賛同できません。
▪ 指定管理者制度を導入することにより、農産物直売所の管理運営のみならず、飲食施設の運営も含めて、すべて市の事業と位置付けられるからにほかならないからです。
▪ 市が事業主体となることによって、施設整備および駐車場整備費のみならず、光熱水費を除く農業拠点施設に係る経費の殆どが市の負担となります。
▪ 事実、過剰とも言える各種備品の整備費用として約1800万円もの経費がすでに発生しています。
▪ 新年度予算の地産地消推進事業費のうち農業拠点施設整備事業分として、「6月の農業拠点施設のオープン記念イベントの設営委託料」をはじめとして、PR用のポスター・チラシ代、イベント用消耗品、さらにNHK受信料に至る迄、すべて市の負担として計上されています。
▪ 民間の事業者であれば、当然ながら自らの経費と労力を投じて捻出する部分も、指定管理者制度を導入することにより、このように市の負担となってしまう訳です。
▪ これまで、我孫子市の地産地消の推進は、農業者と市民と市が協働で取り組んで来ました。市が「場の提供」を行ったアンテナショップにおいて、農業者主体の経営の実践と検証を行い、将来的には、農業者自身の自立を目指して来たはずです。
▪ 今回の指定管理者制度の導入は、これまでの農業支援のあり方に逆行するものであり、農業支援という一つの産業振興のあり方として、疑問を呈さざるを得ません。
▪ 農業振興策は大変重要なことであり、その必要性は大いに認める所です。しかし、市丸抱えの農業支援のあり方には、市民の納得が得られるとは思えません。意思決定機関である自治体議会として説明責任、議決責任を負えるものではないと考えます。

二点目の反対の理由は、今回の指定は、指定管理者制度導入目的にそぐわないからです。
▪ 我孫子市指定管理者導入指針において、「指定管理者制度導入の目的は、公の施設の管理に民間のノウハウや活力を活用することで公共サービスの向上とともに、経費の削減等を図ることにある」としていますが、果たして今回の指定がこの目的に沿うものと言えるでしょうか?
▪ 私どもの会派では、今回の指定は、指定管理者制度の導入目的に沿わないと考えます。

三点目の反対の理由は、公募が原則であるはずの指定管理者の選定において、【非公募】により「株式会社あびベジ」を選定したことです。
▪ 市は、今回の非公募による指定を行うために、昨年11月に「指定管理者導入指針」を改定しました。本来、指針や方針を明確に定め公にした上で、適用を図るべきところ、手順が全く逆になっています。このようなやり方は後々禍根を残し、悪しき慣例になり兼ねないことを強く危惧します。
▪ ちなみに、今後、社会状況等の大きな変化がない限り、また市が農産物直売所等の事業を続ける限り、「あびベジ」は指定管理者であり続けるとのことですが、本当にそれでいいのでしょうか?
▪ 競争の原理が働かない中で、さらに、市が実質的に丸抱えの中で当該施設が管理運営される中で、農業者自身の自立が真に図れるのでしょうか?

以上の理由により、議案第12号に反対致します。

***
次は、議案第20号:「平成29年度我孫子市一般会計予算」です。

以下、反対する決断を下す理由となった事業を二つあげます。

一点目の事業は、「手賀沼親水広場管理運営委託料(4,717万5千円)」です。
この点につきましては、昨年の12月議会における議案第13号我孫子市一般会計補正予算(第3号)の反対討論の中で述べたとおりですが、事業者が提案型公共サービス民営化制度を活用し、提案を行い採択されたものです。

当該施設が県から移譲を受けた施設であり、移行期であることから、提案された内容において経費の面で比較衡量することが困難であり、かつ実際に大きなコストメリットは感じられない点、また、新たな提案とされたプラネタリウムの管理運営業務は全体の額からすれば限られた部分に留まっています。これらをもって、事業者を決定するのは早計と言えます。

当該管理運営業務委託については、リニューアルオープン後の業務内容を提示し、当初から予定していたプロポーザル方式により、複数の応募事業者からのよりよい事業提案を受けた上で、最も適切な想像力、技術力、経験などをもつ事業者を総合的に判断して業者選定すべきであったのではないでしょうか。今回、決定された事業者が、その上で落札されたのであれば、何ら異存はありません。

当該施設に係る提案型公共サービス民営化制度審査員会の資料の「担当課の意見」で、「県が運営していた時期および平成27年度の市による一時利用の時期から、管理運営委託を受託しており、施設の維持管理に精通している」とありますが、精通しているからこそ、提案型公共サービス民営化制度を利用し応募されたともいえます。他の事業者は、行政評価表を見ただけでは、来年度から手賀沼親水広場の管理運営業務が変わることは分かりません。

提案型公共サービス民営化制度は、「市のすべての事業を公表し、民間から委託・民営化の提案を募る制度」ですが、前提となるデータは、非常に雑駁なものであり、当該事業について、公募に資する状況であったかと言えば決してそうではありませんでした。前提条件である「情報」が公平に行き渡っていなかった点は否めません。

もし、他の事業者からより良い提案、低廉なコストで質の高い管理運営が出来る提案があったとしたらどうでしょうか?

提案型公共サービス民営化制度の委託事業は、原則3年間としている所ですが、提案者の提案により5年間となったことから、5年の長期にわたり「約2億4千万円を超える多額の委託事業費が固定」されました。

果たして、今回採用した手賀沼親水広場管理運営委託は、提案型公共サービス民営化制度の導入目的に合致した事業と言えるのでしょうか?

警鐘を鳴らす意味でも、この点を指摘しておきたいと思います。


二点目の事業は、「工業振興事務運営費(うち産業拠点検討調査業務委託料:600万円)です。

星野市長の就任以来、企業誘致、企業立地、住工混在の解消等に係る調査研究委託事業が3つ行われてきました。

(1) 平成20年度:工業系土地利用調査研究業務委託料:457万8千円(印刷製本費:31万5千円除く)
「この調査研究業務」は、工業系土地利用適地の検討から始まり、土地利用を図るための条件、事業費、事業期間などを整理し、工業系土地利用の実現の可能性を探り、土地利用や基盤整備について検討し、手法等の整理を行ったうえで、各用途地域において規制される業種の整理や我孫子市の誘致対象とする業種及び内容の具体的なイメージをまとめたものです。

(2) 平成24年度:「企業立地方針」策定の基礎資料として行った企業意向調査委託料:1,596,000円
この調査は、企業に我孫子市を知ってもらうこと、企業から見た我孫子市へ進出する魅力、立地する場合に企業が求める支援策など、企業が我孫子市への企業立地についてどのような考え方を持っているかを把握するため実施し、企業が立地しやすい環境整備を行うための基礎資料としてまとめたものです。

(3) 平成25年度:工場集団化事業基本調査業務委託料:6,909,000円
この調査は、市内の住工混在の解消に向け、移転を希望する市内事業者の受け皿として、NEC我孫子事業場の敷地の一部を買収・整備・分譲することを検討するにあたり、土地の取得範囲や用地内の土地利用、事業の採算性のシミュレーションなどの基本調査として実施されたものですが、先の施政方針の中で、現在も継続して事業が進めていくとの報告がありました。

以上3つの事業費として、13,089,000円が費やされました。

しかし、現在の所、結果として実になったものは何一つありません。

その上で、これらの調査研究業務に「屋上屋を重ねる」ように提案されたのが今回の事業:産業拠点検討調査業務委託料:6,000,000円です。

▪ この調査は、工業系土地利用の方向性を定め、新たな企業が進出しやすい環境整備を推進するため、調査・分析をすること
▪ 産業拠点として可能性を有する市内数か所の候補地において、土地利用等の現況や関連する各種計画の法的規制・条件などを整理するとともに、インフラ整備を含む開発事業費のシミュレーションを実施し、工業系土地利用推進エリアとして望ましい候補地を検討・研究して行くための基礎的な情報を整理すること
▪ 民間活力を利用した整備手法について検討を行うとともに、実現性の高いエリアを選定するために、開発企業へのニーズ調査等を実施すること

この三点を事業内容としています。

予算委員会での質疑において、「産業拠点として可能性を有する市内数か所の候補地」に関して、担当課と理事者の答弁の食い違いがあり、「庁内協議すら整っていない」ことが判明しましたが、こうした状況下で、なぜ事業化し、予算化されるのか甚だ疑問でなりません。

そこで、改めて本事業の予算編成過程を確認した所、重大な問題を発見しました。

▪ 本市は予算編成過程を公開していますが、当初、企業立地推進課が新規事業として事業採択を図っていた事業名は【住工混在の解消】でした。
▪ 事業概要は「住環境の改善を図るため、住工混在の解消へ向けて工業系の用地を整備し、企業の立地・集団化を推進する」もので、第4回目の事業採択の優先度はA評価でした。
▪ 1月25日の示達段階でも「住工混在の解消」という事業名は変わらず事業採択されていました。
▪ しかしながら、実際に予算化され提案された事業は「新たな企業が進出しやすい環境整備を推進するため」の「産業拠点検討調査業務委託」でした。

示達後に、事業内容を変更するようなことがあって良いのでしょうか?

これでは、何のために予算編成過程を公開しているのか全く意味を成しません。

執行部には、改めて明快な答弁を求めたい所ですが、こうした不可解かつ瑕疵のある過程を得て上程された事業を認めるわけには行かないと考えます。

***
以上、反対の理由を述べましたが、最後に一言致します。

✓ 一部の事業を以て、今回の予算案に含まれる全ての事業を否定する考えは毛頭ありません。
✓ 当該予算案の中の大半の事業が、限られた財源の中で、精査に精査を重ねた上で提示されたものであること、
✓ 衆知を集め、市民サービスの向上、市政の向上のために事業化され予算提案されたものであること、
✓ そして、事業の成果や効果を強く期待出来るものが沢山あることは十分理解する所であり、その点につきましては感謝申し上げる次第です。

また、東消防署湖北分署整備事業につきましては、予算審査特別委員会で答弁があったように、現在行っている湖北台地区公共施設整備基本調査結果を受けて庁内で市の方針を協議検討した後、秋口を目途として、近隣地域の皆さんに改めて報告の場を持ち、丁寧に住民合意を形成して行く旨ご答弁がありましたので、ぜひお願いします。

さはさりながら、三日間の予算審査を通じて、看過できない事業がありました。

これらの事業に係る事業費は、全体予算の中のごく一部ではあるものの、執行部の行政運営および行政執行に係る姿勢を端的に表すものと捉えた次第であり、これらを看過することは、私たちの会派は出来ません。

議員各位におかれましては、意思決定機関である議会としての責任を以て、ご判断をいただきますようお願い申し上げ、以上、反対討論と致します。

ご清聴いただき感謝申し上げます。



最後までお読みくださり、有難うございました。



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posted by 久野晋作 at 08:05| 千葉 | 議会報告(一般質問他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする