以下、12月16日の記事の続きを記します。若干、説明が長くなりますが、ご一読いただければ幸いです。
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今議会において、平成27年7月に千葉県から移譲された「手賀沼親水広場」と「水の館」に関し、議案第10号「我孫子市手賀沼親水広場の設置及び管理に関する条例」が上程されています。
市では、この条例(案)に先立ち「指定管理者の導入指針」を11月末に改正し、「公募によらず、指定管理者を選定する」ケースを新たに規定しました。
平成15年9月施行の地方自治法の一部改正により、公の施設の管理について「指定管理者制度」が創設されました。これにより、従来は地方自治体の出資法人等に限定されていた公の施設の管理が、民間企業や各種法人、その他の団体も行うことが可能となりました。
指定管理者制度導入の目的は、公の施設の管理に民間のノウハウや活力を活用することで公共サービスの向上とともに、経費の削減等を図ることにあります。我孫子市では、平成18年4月から6施設に指定管理者制度を導入し、一定の成果を挙げてきました。
この指針は、その成果を踏まえ、指定管理者制度をさらに効果的に活用するため、導入についての考え方や手続きのほか、制度導入後の対応等について、市の統一的な考え方を示すために定めるものです。
(「指定管理医者の導入指針(平成28年11月一部改正)…T.指針の位置付け」より転記)
この指針は「議決案件」では無いため、行政の内規(内部のルール)として変更出来、「水の館内(1F)に新たに設置する農産物拠点施設」の管理を「公募によらず、株式会社あびベジに選定(→平成29年3月議会の議決を経て指定を予定)する」為に、変更(改正)されたものです。
16日の総務企画常任委員会で議論となったのが、「指定管理者の候補者の選定にあたっては、公募を原則とします」としていた所を、以下の通り、ただし書き他を追記することで「公募によらず、指定管理者の候補者を選定する場合」について新たに規定された点についてでした。
(1) 公募による選定と公募によらない選定
指定管理者の候補者の選定にあたっては、公募を原則とします。ただし、公募しても応募がなかったときや、審査の結果、指定管理者の候補者として適当な団体がいなかったとき、また、次に掲げる場合で特に必要があると認めるときは、公募によらず、指定管理者の候補者を選定することができます。その際は、指定管理者選考委員会の意見を聞かなければなりません。その上で、説明責任を十分に果たすため、競争による選定を実施しない合理的な理由を指定管理者選考委員会の意見と合わせて、ホームページに掲載することとします。
ア 地域コミュニティの醸成、市民活動の推進や施設の有効活用等を図るために、地域の住民や施設利用者等により構成される団体が管理運営することが適当であると認められる場合
イ PFI事業により管理運営を行う施設で、事業者が決定した場合
ウ 障害福祉施設等で現在の施設利用者の意見を聴取する等により状況を把握して考慮したうえ、現在の団体が引き続き管理運営することが適当であると認められる場合
エ 同じ区域に市が管理する施設とその他の自治体の施設が混在している場合に、同一の管理者がすべてを一体的に管理することで効率的な運営、利用者の利便性が向上すると期待される場合
オ 指定管理者の指定を取り消した場合に当該指定管理者が管理していた施設について、直ちに指定管理者を指定しなければ著しく公益を損なうと認められる場合
カ 地域の活性化や産業振興の観点から、地域密着度の高い施設において、地域の実情に精通している団体等が運営することにより、当該施設の設置目的が達成される場合
「公募によらずに指定管理者の候補者を選定すること」のみをもって、否定するつもりはありませんが、
公募によらず、指定管理者の候補者を選定する際は、
@指定管理者選考委員会の意見を聞かなければなりません。
Aその上で、説明責任を十分に果たすため、競争による選定を実施しない合理的な理由を指定管理者選考委員会の意見と合わせて、ホームページに掲載する
と、市は敢えて規定した訳です。
内田議員からの「指定管理者選考委員会の意見(総意)が、公募によらない事に対して否定的であった場合、どうするのか?」との質問に対し、担当次長は「選考委員会の意見は意見として聴くが、市の判断が異なることは有り得る」、つまり「あくまでも参考として聴き置く」と、何の躊躇もなく答弁したことに対して、私は大いに違和感と問題意識を持った次第です。
「指定管理者選考委員会の意見(総意)が、公募によらない事に対して否定的であった場合」というのは仮定の話ですから、必ずしもそうなるとは限りません。
しかしながら、指定管理者制度の導入以来、公募を原則として来た指定管理者の候補者の選定ルールを敢えて変更し、「指定管理者選考委員会の意見を聴き、説明責任を十分に果たすため、競争による選定を実施しない合理的な理由を指定管理者選考委員会の意見と合わせて、ホームページに掲載する」と規定したのですから、端から「参考として聴き置く」という姿勢であるならば、何の為に選考委員会を設置するのか全く意味が分かりません。
そうならぬ事を強く求める次第ですが、言葉の端々に真意は出るものです。
市民の理解と信頼あっての行財政運営であり、市政運営です。
筋道の通った市政運営にして行かねばならないとの想いを強くした次第です。