この公開研究会は、昨年度から我孫子市の先陣を切って小中一貫教育を実施した布佐中学校区(布佐中学校・布佐小学校・布佐南小学校)において、教育委員、全市の小中学校の先生方、地域の方々の参集の下、その成果や課題について報告されたものです。
我孫子市における小中一貫教育への具体的な取組み(検討)は平成25年度からスタートしましたが、平成26年度に布佐中学校区を小中一貫教育推進地区として指定し、同地区において平成27年度から本市における小中一貫教育推進を先行して実施されています。
布佐地区の選定理由として、我孫子市教育委員会・倉部教育長は「平成24年度に総合学習『ふさカリキュラム』を完成させ、小中学校を繋ぐ地域学習を続けている実績や、学校支援地域本部の充実を図り地域との連携した教育活動を実践してきた経緯があり、我孫子市が目指す小中一貫教育を先駆けて実践するための土壌が有るため」と述べられて居ますが、まさに、布佐地区だからこそ先行実施出来た事が良く解る公開研究会でした。
公開研究会は、午後から開始され、【@授業見学→A研究発表→B講演会】という日程で実施されましたが、すべての日程を興味深く拝見拝聴し、我孫子市の目指す小中一貫教育の導入の意義と狙い、そして、導入後の成果と課題について確認させていただきました。児童生徒の活き活きとした楽しそうな表情がとても印象的でした。
講演して下さった京都産業大学の西川信廣教授から、「布佐学園というコミュニティの形成(確立)を!」という問題提起をいただきましたが、「小中一貫教育とは、教師の資質向上のための取組み〜教師が分かる授業を実現し、子供が授業に向き合い結果として学力が向上する取組み〜であり、小学校・中学校が地域と一体となって、子供達と向き合う取組みの第一歩でもある」との言葉が、この制度導入の核心の一つだと確信した次第です。
なお、平成31年度に全中学校区で完全実施予定としており、それに向けて、全ての関係者の意識合わせと共有認識を持つ意味で、とても有意義な機会だったと思いますが、分離型の小中一貫教育を施行するに当たり、学区をどのように考えていくのか?など、仔細の詰めも必要です。また、根幹部分である保護者・地域の理解と協力も欠かす事が出来ません。
今回の公開研究会を含めた先行実施の成果と課題については、教育委員会、小中一貫教育推進委員会で協議検討されます。小中一貫教育制度については、平成18年以来、重ねて議会で質疑しています(過去の発言記録・議事録検索はこちらをクリック)が、一人の保護者として、そして地域の住民の一人として、引き続き制度の導入および実施を注視して行くと共に、当該制度の円滑な実施に微力ながら寄与して行きたいと思います。