参加者数としては3会場合計で50名足らずとなり、周知不足の感は否めず個人的にも反省点が残りましたが、厳しいご意見だけでなく、市政に係る忌憚のないご意見・ご提言・ご要望を多数いただきました。
我孫子市議会の議会報告会では、各常任委員会の委員長・特別委員会の委員長が各種報告を行い、質問に対して回答する形式としている為、私はマイク受け渡し係として、質疑応答を見守る事しか出来ませんでしたが、それがゆえに、ある意味、それらのやり取りを客観的に拝聴する事が出来ました。
2日間の報告会を通じて強く感じたのは、「我孫子市議会という24人の議員による合議体の議事機関であり意思決定機関」と、「星野市長(独任制)を筆頭とする執行機関」との「相違」についての理解が低いことによる「議論の行き違い」です。
市長部局(執行機関)は、議会が議決した年度の予算に基づき、日々の行政事務を執行しています。その最高責任者(執行責任者)が市長であり、たった一人で執行機関を代表する立場に有る為、回答は自身の責任に因ればいいので、非常にシンプルです。
一方、議会(議事機関)は、市政にまつわる諸課題や議案について議論し、議決(≒決定)する場(意思決定機関)ですが、日々の行政事務の執行に対して決定したり指導する権能はありません。
市民の皆さんにとって、この点(構図:二元代表制)は非常に分かり難い点だと思いますが、議会は「市政の向上・維持・発展、市政の諸課題の改善・解決」の為、市民の皆さんの意見を吸い上げ、集約(≒其々の判断と責任に因り取捨選択)したり、自身の考える政策の実現に向けて、行政機関(様々な部署)に対して議会内外で働きかけ(政策提言・議員立法等)を行っています。
ですので、議会には「即時性や即効性」は無いのですが、市民の意見を集約する機能と、それらを踏まえた意思を決定する機能が明確にあります。もどかしく感じられる方も多いと思いますが、これこそが民主主義の要諦(ようてい)です。
市長には、大きな権限が一人に集中しているので、陳情先や要望先として手っ取り早く感じる部分もあると思いますが、行政事業の前提となる予算議案および各種議案に関して、議会における議決が無ければ原則として何一つ行政執行することは出来ません。
どちらが偉いとか、強いとかそういうことではありません。
市長(執行機関)と議会(議事機関)という二つの機関があり、各々が互いの権能を牽制し、緊張感を持って自治体運営に当たる事を二元代表制度では期待しています。原則として、議院内閣制を敷く国政のように与野党の別はない(はずなの…)ですが、こうした観点で、議会および議会を構成する議員各位や定例市議会を見ていただけると、少し見方が変わって来るのではないか…と思いますし、私はそう願いたいです。
報告会の運営について、少なくない気付きもありました。来年以降に開催する報告会において、試行錯誤を重ね、「市民納得度の高いまち・我孫子」、引いては「選ばれるまち・我孫子」の実現に向けて鋭意邁進して行きたいと考えています。