2016年07月29日

あびバス新木ルートの試走

昨日10時から行われた「あびバス新木ルートの試走」に参加しました。

現在、新木ルートで使用している車両の三菱ふそうトラック・バス社製のエアロミディME(シリーズ最小モデル)が「自動車排出ガス規制の関係で2007年8月をもって製造中止」になったことにより、新型車両を導入するに際して、現行ルートで通行が困難な箇所が生じたことから我孫子市交通課が本年10月にルート改正を行う検討を進めて来ました。

具体的には、三菱ふそうトラック・バス社製のエアロミディの回転半径が【5.7m】であるのに対して、導入予定車両である日野自動車社製のポンチョ2ドアの回転半径は【7.7m】となっており、現行の新木ルートを導入予定車両で試走した所、走行困難箇所が4箇所(新木野4丁目2箇所…回転半径が十分に取れない、布佐台踏切および吾妻台坂上…車両底部が路面と接触する)あることが判明したことから、新車両導入に伴い、ルート改正を行う検討を進めて来たものです。

しかしながら、6月議会の一般質問ならびに環境都市常任委員会において「見直し検討に係るあり方と、その妥当性」等について集中的に議論され、昨日、改めて導入予定車両を試走することで車両通行の安全性について、議会(参加は任意参加で11名参加)として直接確認する運びとなりました。
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試走結果としては、新木野4丁目の2箇所について回転不能(通行不可)とは言えないものの、狭いルートを通行することから、(通行状況によっては)車両運行上の困難が生じることが理解できました。また「ルート設定(認可)に係る我孫子警察の立会い検証に際し、安全性が担保されなかった」との説明が新たにあり、導入予定車両による現行ルートの通行は不可能であることを理解した所です。
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↑新木野四丁目。タイヤ感覚が長くなったため、回転半径が長くなったことから、街中の回転が困難に。通行可能だか、超低速および慎重な運転が求められる箇所に。

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↑布佐台踏切。乗車なしでこの状況。道路改良による改善については市では検討しない方向とのこと。

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↑吾妻台坂上…車両を大きく右に振って、ギリギリ底部の接触を回避。

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↑たまたま、現行車両が同地点(吾妻台坂上)を通過。タイヤ感覚が短いため難なくクリア。

この間、担当課に直接あたり、他に検討の余地は無いか?など、現行ルートの維持に関して、様々な可能性を探って来ましたが、現行車両を使用する3ルートに関して、保有車両4台のうち2台が故障により修理に出しているものの、生産終了車種につき部品の調達が出来ないことから、運行委託事業者である阪東バス保有の同型車両を充てるなど、厳しいやり繰りをしている現状等も踏まえると、心ならずではありますが、今秋のルート変更はやむを得ないと判断する所です。


現在あびバスは、実証運行ルートである根戸ルートも含めると市内で5ルートになっており、地域性により利用者数や利用層は異なりますが、市民の日常の足として定着しています。

市民バス(愛称募集により「あびバス」に変更)の当初の導入目的は「高齢者の外出支援」にあり、市内に於いて高齢先進地区であり、交通の便が極めて悪かった新木地区において初めて運行供用されたものですが、現在は「公共交通機関を補完する交通手段」という側面が強くなっており、その趣旨で認可を受け運行されています。後者の側面(運行理由)を否定するものではありませんが、今回のルート改正により、住宅街に設置されたバス停留所が複数個所廃止されます。実際に利用している高齢者の皆さんの「足」が遠のくため、影響は決して少なくありません。

今回のルート見直しは新木ルートのみではあるものの、他のルートに於いても遅かれ早かれ、車両の故障が生じれば、同様の見直しが即迫られます。非常に厳しい判断となりますが、団塊世代の方々が一斉に後期高齢者となる2025年問題を引き合いに出すまでもなく、現実的に交通不便地区となっている地域をどうして行くのか?について、長期的な視野に立ち綜合的に検討して行かねば成りません。

私たちの会派(Nextあびこ)では、来る9月議会において「高齢社会における地域公共交通のあり方(見直し検あり方等も含む)」について執行部を質して行きたいと考えています。
posted by 久野晋作 at 19:47| 千葉 ☀| 視察・調査研究・勉強会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする