ゲスト講演は、流山市の井崎市長。
「流山市の市政経営」についてお話をお聞きしました。
「隣の芝生は青く見えてしまいます」が、その戦略性と視点は非常に明確です。
流山市では、「人口減少社会における人口争奪戦」を明確に意識して「自治体を経営する」という視点で市政経営をしています。30代の共働き世代にターゲットを絞った定住人口の増加策と、都市の魅力を高め、潜在的な宝を再発見し磨きに磨き打ち出し交流人口を増やして行くという「いい意味での貪欲さ」。
これこそが、街の光となり人を集め、「住んでみたい、住んで良かった、住み続けたい」という選ばれる自治体になる必要条件です。
実際に、人口減少の傾向が顕著になっている本市や松戸市など東葛地域において、人口を増やしているのが流山市です。つくばイクスプレスの開通に伴う沿線地域の開発など所与の条件があるものの、それに甘んじることなく、スピード感と危機感をもって自治体経営を推し進めてきた差が結果として確実に出ています。順風満帆に結果を出しているということではないにしても、次から次へと新たな施策を打ち出し、積極果敢に情報発信を行い、都市としてのブランディング化に取り組んでいます。
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「人口減少社会における自治体間の人口争奪」は、避けられない課題です。
人口の構成と推移によって、税収は大きく変わります。我孫子市は住宅都市ですので、その影響は極めて大きいものがありますが、全国のどの自治体においても人口減少は非常に大きな問題であり、解決していかねばならない最大の課題です。
しかしながら、「国家経営」という視点に立てば、国家として、人口減少をどう捉え、どのような対策を打って行くか?という視点と政策の実行、そして、国民の意識転換は欠かせないと考えています。
ここでいう国民の意識転換とは、「人口が減ることは何を意味し、どのような結果を導き出していくのか?」を正しく理解し、問題であるという認識に立つのであれば、他人事ではなく我がこととして、この問題と向き合い解決に向けて自らも意識と行動を変えて行くということです。
出産が可能な世代だけの問題ではありません。全ての国民にあまねく影響を与える問題である以上、全国民が共通の課題認識を持ち、この問題と対峙出来るか?にしか課題解決のイトグチは見出せないと私は考えています。
国家が国民に対して何ができるのかを問うのではなく
国民が国家に対して何ができるのかを問うて欲しい。
これはケネディ大統領の大統領就任演説時の有名な一節ですが、正にこのことが今ほど問われていることはないと思うのです。
釣鐘型(何も手を打てなければ、もう直ぐ逆ピラミッドに…)の人口構成は変わりません。課題解決の即効薬はありませんが、手をこまねいて指をくわえているわけには行きません。
政治の責任領域として、ありとあらゆる打てる施策、打つべき施策を展開し、合わせて国民意識も変え、安心して子供を生み育てられるニッポンに何としてでもして行きたいと改めて感じた報告会でした。