県が、説明会の対象とした方に対して通知した案内文(一部要約&加工)は以下のとおりです。
【説明会の詳細】
1:開催日時 平成24年9月18日(火)午後6時30分から
※説明会の対象となる自治会役員に対して、案内通知をしたのはたった一週間前の9/11。
2:開催場所
我孫子市立布佐南小学校 体育館(布佐平和台5−1−1)
3:説明対象 (下記、対象者以外には記者も含めて非公開)
布佐南自治会及び新々田自治会の皆様、周辺4自治会(布佐下自治会、布佐平和台自治会
ウイング自治管理組合、浅間前自治会)の役員の皆様
近隣の農地の耕作者の皆様
4:説明内容
(1)放射線に関する知識について
(2)保管計画の概要及び安全確保策について
(3)工事内容について
(4)その他
5:説明予定者 千葉県防災危機管理部原発事故対応・復旧復興担当部長ほか 放射線の専門家
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この間、これまで我孫子市・印西市の両市は県に対し「放射性物質を含む4市1組合のごみ焼却灰一時保管施設については、地元住民への丁寧な説明、他の候補地や最終処分場の提示等を要請」してきました(「手賀沼終末処理場の焼却灰問題の経過」我孫子市HP)。
我孫子市議会でも、余りにも一方的な県の姿勢に対して3度の決議等を行い(我孫子市市議会の放射能問題への対応)、そして、先日、議員全員協議会を開催し、今後の対応方針を敢えて確認しました。
<高濃度放射性物質を含む焼却灰の一時保管場所を手賀沼流域下水道終末処理場に設置することに対する我孫子市議会としての今後の対応策>
我孫子市議会は、下記事項について、執行部等と連携を密にし、千葉県に求めていくこととする。記
1.具体的な最終処分場を設置する自治体及び地元住民の同意を得、早急に提示すること。
2.一時保管場所の設置については、地元自治体及び地元住民の理解が得られるよう、より丁寧な説明会を開催すること。
3.一時保管施設建設については、地元自治体の了解を得ること。
この中でも、地元に対して、十分な説明も納得も得ない一時保管を推し進める県に対して、最低限の姿勢として、「より丁寧な説明会を開催すること」を求めてきました。
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しかし、今回の県の対応には、
1.説明会開催の一週間前での案内に見られるように、相手の都合などお構いなしの、唐突な情報提示の姿勢
2.説明対象となる住民を「自治会役員の皆様」と限定し、少なからず関係性のある周辺住民の知る権利を無視し、不安に感じている住民の思いを無視する姿勢。
3.これだけ関心の強い問題に関する説明会を非公開で行うという有り得ない態度で臨む姿勢。
など、問題点が余りにも多過ぎます。
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以下、森田健作(鈴木栄治)知事をはじめとする県の「お偉方」に伝えたい。
<説明会の開催通知は一週間前>
・重要事項を説明するに際して、一週間前はないでしょう。
・それが果たして、真摯な姿勢と言えますか?
・本当に説明会に参加して欲しい、理解して欲しいと思っていますか?
・想像してください、このような対応をされたら住民はどう感じますか?
・あなたが住民ならどんな気持ちになりますか?
<説明対象は自治会役員&近隣の農地の耕作者に限定>
・自治会役員は、当該自治会の「意思」を代表する方だと思っているのですか?
・現場を持たない貴方がたは、自治会を県の下部組織とでも思っているのですか?
・役員にさえ伝えれば、後は役員が手となり足となり、自治会員に伝達してくれると思っているのですか?
・施設を眼下にして暮らす住民は対象地域だけではありません。
<当日の説明会はなぜか非公開>
・非公開とは説明する側にとって、余りにも態のいいスタイルですね。
・現場の空気や情報を如何様にも変容出来ますからね。魂胆が見え見えです。
・「県資源循環推進課は非公開の理由について、『地元住民の要望を反映した』としている。」などと言っているようですが、公開に耐えられない理由が明確にあるから非公開にするのでしょう?図星ではないですか?
前回の説明会の折、私が行なったような発言要録(2012年06月12日:ブログ「手賀沼終末処理場への高濃度の放射性物質に汚染されたごみ焼却灰の一時保管計画」に関する千葉県の説明会【発言メモ】)を取る者がいなければ、実際、どのような意見が出たのか?さっぱり解らない訳です。「丁寧な説明をした。あらかた住民は納得していただいたものと考えている」と言い張るであろう県の担当者のコメントが思い浮かびます。
対象となった自治会役員の方は、大あらわになっています。
相変わらずの地元の感情を無視する県の姿勢には憤りを禁じ得ません。
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昨日の記述と繰り返しになりますが、今回の説明会の実施により、千葉県は「一時保管の所与の条件(要求)はクリアした」との認識に立ち、一時保管場所の造成・工事に着工し、具体的に一時保管に踏み切る可能性が非常に高くなってしまったと思います。
我孫子市として、このような内容の説明会を開催することには断固反対して欲しかった。
一歩間違えれば、一時保管場の設置に際しての「アリバイ」となる可能性があるからです。
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現在、どの自治体も9月議会を開催しています。
この時期には決算認定という非常に重要な議会審査が必ずあります。
つまり、どの首長も、議会対応通常の時期よりも多分に忙しいはずです。
しかし、今回の県の説明会と歩調を合わせるかの如く、また、畳み掛けるように、昨日、柏市・流山市・松戸市、そして、我孫子市、印西市の関係5市が本日(13日)の夕方から我孫子市水道局にてトップ会談を行われました。
これは柏市長からの要請があって急遽開かれたものとのことですが、余りにもタイミングが良すぎます。
当日の会談は非公開であり、現時点では、我々も新聞報道で知る限りの情報しか得られていませんが、非常にきな臭いものを感じています。
施設設置、理解求める 焼却灰保管問題 2012年9月14日 東京新聞
放射性セシウムを含むごみ焼却灰の一時保管問題で十三日、灰の保管に悩む柏、松戸、流山三市の市長と、県が保管施設の設置を決めた手賀沼終末処理場を抱える我孫子、印西の両市長が我孫子市内で会談。灰の保管場所がないことから、三市長が我孫子、印西両市長に施設設置への理解を求めた。
柏市の秋山浩保市長が呼び掛けて急きょ実現した。県が保管施設の設置を提案した昨年十月以来、関係五市長による会談は初めて。
会談では、柏市など三市長が灰の保管状況や今後の見通しを説明。我孫子、印西両市長は保管場所の窮状は理解しつつも、周辺住民に保管の恒久化や安全性に不安の声があることを強調した。
当日、どのような話がなされたのか?提示された資料は何であったのか?
どこまで其々の自治体で保管場所の確保に走っているのか?居ないのか?
などなど、仔細の情報に関する報告及び質疑は9/21(金)の放射能対策特別委員会までお預けとなっています。
明日、15日に行われる印西での「説明会」、18日に行われる我孫子での「説明会」。
この間隙を縫って、県が一時保管施設の工事着工に入らぬよう十分注視したいと思います。