2回目の継続審議は、おそらく記者の取材(委員会の傍聴)はないと思っていましたが、(柏記者クラブの)主要メディアが取材に当たっていたのことには正直驚きました。中には居眠りをされている記者さんも居ましたが、彼らが最も関心のある「市長の在任期数」について言質を採り、条例の可否に関する流れを確認されたかったのでしょう。
さて。翌日の産経新聞の記事(11/10)において、「(市長の)多選は一般論としてよくないが、あえて条例化する必要があるか」「議員定数は議員が決めることで、市長が決めることではない」−。9月議会に提出された条例案に対し、議会は自民から共産までほとんどの会派が反発。という記事の中に、決定的に間違っていること(事実誤認)がありました。
我孫子市議会には「自民党」という会派は存在しません。何らかの形で自民党の活動に関係されている議員はいらっしゃるかもしれませんが、自民党という会派(交渉会派)はないのです。
この点を見ると、地方議会の何たるかを如何に理解していないかがわかります。地方議会は国会の縮図では有りません。未だにそうした観点からしか分析できない(眺める事ができない)のでは「お話になりません」。
また、記事の題名には「市長と議会、深まる溝 我孫子市自治基本条例案」とあり、言い得て妙の感もありますが、殊更に対立構造を強調(助長)する姿勢には感心できません。
委員や議会の一部の取材をもって、「市長と議会の対立」と書き立てられたり、「議会の理解度」や「条例に対する(議会の)スタンス」を推し量られ(流れを作られ)る事には大いに不満があります。
我々議員は、【今回の条例案が、真の意味で住民自治を確立・充実する為の条例と言えるのか?また、今の我孫子市において、必要な論点は抜け落ちていないか?不必要な点や、議論の足りない点はないか?など、総合的に判断する為に是々非々の審議を行っているまで】です。
「市長が提案する条例は常に正しい」とでも思っているのでしょうか?それに対する議員の発言は「難癖」をつけているとでも言いたいのでしょうか?
■メディアの責任も明確に問われる。
取材に当たる側が、本当の意味で、二元代表制度の何たるかを理解しているのか?、それに対して、どのような見識を持ち合わせ居るのか?それを読者である「住民」に対してどのように伝え、どのような反応を期待しているのか?その反応が当該自治体にとってマイナスの要素を産むものにならないか?
今回の記事に関わらず、我孫子市関係で取り上げられた記事を読んでいると、こうした点を「逆取材」したくなります。取材の対象や取材時間の偏りを拝見するにつけ、そのこと(必要性)を強く感じています。
メディアの記事(の出来)如何で、一定の構図が出来上がります。
これ以上、「広報○○」は必要ありません。
その事を充分わきまえていただきたいと思う今日この頃です。
下記、一般論を含めて私の考えをお伝えします。
>自治基本条例は議会での議論の中で内容がどんどん変りました。
■久野:wrote■
議会の議論を通じて、原案が変更されることは当然だと考えています。修正(訂正)するのは市長部局であっても、議会であっても構わないと思います。もちろん、「変更しない」という選択もあるわけですのが、市長の出した条例案を右から左に通すことが議会の役割ではないと考えています。問題があれば一つ一つ質し、(必要に応じて)修正(訂正)を求め、条例案自体が必要がない(不十分な条例)という考えに至れば否決する。これが議会(審議)の役割だと思います。
>市長の条例に込めたメッセージはなんだったんでしょうか。当初は地方への権限委譲を見据えて、とか、我孫子市運営(自治体運営)の最高規範とか、鳴り物入りで策定委員会を設置したように思います。
■久野:wrote■
確かに、「骨抜き」になっている感は否めまず、条例を通すが為に、議会審議を通じて「最大公約数」を図って今の形としていると思います。
http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/15,0,81,273,html
ただ、「通す事」自体が目的化してしまっているのであれば、考え物だというご指摘はごもっともだと思います。訂正案を見るにつけ、福嶋市長の今回の自治基本条例案に対する「主張(メッセージ)が、一体何なのか?」を図りかねる部分もあります。
>いま条例案としてあるのは、他の自治体が制定した2番煎じの条例案のような気がします。我孫子市は素晴らしい条例を制定したと誇れるような条例とはとても思えません。12月議会を期待しています。
■久野:wrote■
「我孫子らしさとは何か?」に想いを及ぼす時、それが共通理解となっているかどうかということを考えます。様々な議員が集う議会ですので、合意形成を図ることは容易ではなく、そもそも、必要か不必要かという議論もあるわけです。
現時点での我孫子市の自治の到達点を明確にし、これから始まる本格的な自治分権時代に備える。
背伸びせず身の丈を弁えて考える。
こうしたスタンスで12月議会に臨みたいと考えています。