2011年08月04日

【放射線問題】必要な措置は「具体的な低減策」の実施

8月1日号の広報あびこはご覧になりましたか?

紙面の1.2面は放射線に関する記事ですが、そこで述べられているのは「今後の測定計画」に留まるものであり、「放射線量の具体的な低減を、各部署が、いつ、どのように行っていくのか?」という一番重要な点(特に、この問題について不安・疑問に感じている市民の関心事や想い)に対する内容が語られていません。

敢えて言うならば、市長の「放射線量の低減に取り組んでいます」の中で、概要が述べられているのみで、具体性に欠けた「市は対応しています」的な内容に留まっており、市民の想いに応えるような内容になっていません。


定期的な測定は、もはや当たり前であって、(たとえ当該地域の放射線量が「比較的高い」というレベルであったとしても)現実に放射性物質がこの地に降り積もってしまっている以上、具体的に低減させる措置が求められている訳です。しかし、未だに「検討」のレベルに留まり、具体的な対応まで踏み込んでいない(又は、公表に踏み込んでいない)ことに忸怩たる思いがあります。



流山市や野田市の広報は対照的で、具体的な放射線量提言策の実施内容について言及しています。

比べてご覧いただけるとその違いが良く判ります。

P1070411.JPG広報あびこ8/1号
1面 放射線量などの今後の測定計画、焼却灰に含まれる放射性物質測定結果、放射線量の低減に取り組んでいます(市長のコメント)、積算放射線量測定結果、農産物の放射性物質検査結果
2面 大気中の放射線量測定結果、東日本大震災への寄付をありがとうございます、市職員を募集、市の消防組織・体制


P1070409.JPG広報ながれやま8/1号
1面 放射線量低減策を実施、焼却灰から放射性物質を検出、焼却灰をクリーンセンター内に仮保管、8月から森のエコ堆肥を販売見送り
2面 放射能のことを正しく知ろう、放射線基礎講座での質問と回答、日常生活と放射線 他



shihou_menu.gifのだ市報8/1号
(1ページ目)市独自基準を設定し大気中の放射線問題に対応(1)
(2ページ目)市独自基準を設定し大気中の放射線問題に対応(2)
(3ページ目)市独自基準を設定し大気中の放射線問題に対応(3)



ちなみに、広報ながれやまでは「市の放射線への対応の基本姿勢」として

福島第一原発の事故に伴い、近隣市と同様に流山市でも空間放射線量が高かったり、焼却場の飛灰から国の埋め立て基準を上回る放射性物質が検出されるなど、多くの影響が出ています。市では今後、国際放射線防護委員・会(ICRP)勧告に示された目安を尊重し、小、中学校、幼稚園、保育所などの施設において管理の基準を年間1ミリシーベルト以下(自然界からの放射線を除く)とすることを目標とし、相対的に空間放射線量の高い区画において低減策に取り組んでいきます


と明確なスタンス(対応指針)を確立し公表しています。

※市独自基準をいち早く設定した野田市の(放射線問題に対する)基本的な考え方と対応等についてはこちら


私は、発災直後の三月議会の教育福祉常任委員会において、学校や保育園等での保護者および児童への正確かつ細やかな情報提供を求めました。

低線量の放射線による健康への影響については、学識の間でも意見が分かれる所であり、絶対の見解は存在していません。

たとえ想定される影響が少なくとも、人体、特に未来を担う子供達の成長に何らかの影響が出る可能性があるならば、市民の理解と協力の下、出来得る限りの処置を講じ、市民の安全安心を守り醸成していくのが行政の責務だと私は考えます。

そこで先の六月議会では、放射線への対応に関しては「国の基準や指示」を待ってから行動するのではなく、野田市が独自の放射線量限度を設定したように、我孫子市としての放射線量低減の対応方針を確立すること、市民に適宜公表していくこと、給食の安全を確立すること等を求めました。

この問題に関しては、本会議での一般質問と同様、全委員から質疑が行われ、ほぼ一致して市の更なる対応(食材を含めた定時定点観測、対応基準の設定、数値が高い場合の対応:除染・除却措置)を求めましたが…。


その後に、毎日新聞の記事がアップされたわけです。

市民を代表(代理・代弁)する立場にある各議員から押しなべて様々な質疑・提言が続いたにもかかわらずです。

星野順一郎市長は28日の定例記者会見で、市民から学校や公園の土壌を入れ替えて放射線量を下げる要望が出ていることについて「現在の数字は健康に問題はない。放射性物質の除去より、お母さん方の心配の除去のために、必要のないことを求められている」と述べた。(毎日新聞 2011年6月29日 地方版)
20110629東日本大震災:東葛放射能問題、6市長が国に要望へ(毎日新聞).pdf



星野市長は市の公式ツイッターで発言の打ち消しを試みましたが【綸言汗の如し】と言うように、トップに立つものが一度発した言葉は中々取り消し難く、影響は少なくないものです。

「市民の健康・安全・生命・財産・身体・暮らしを守る」ことが行政の役割であり、そのトップに立ち、日々決断と実行をしていくのが市長の役割です。市長には市民の心に真摯に向き合って頂くと共に、猛省を促したいと思います。


8/1号の広報あびこにおいて「放射線量などの今後の測定計画」等が掲載されましたが、市民が求めているのは「測定計画」ではなく、「具体的な低減策の実施」です。

引き続き、市に対し、より踏み込んだ対応(数値が高い場合は除染・除却措置)を求めていく所存です。
posted by 久野晋作 at 00:16| 千葉 ☁| ■震災・災害関連情報■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする