2011年02月01日

地域づくりは【向こう三軒両隣】から…高齢者見守りネットワーク立ち上げ@新木地区

先週27日(木)に地元の新木地区(新木団地自治会館)にて、

「高齢者見守りネットワーク」を作ろう!

と題した懇談会が開催されました。


「どのような内容で問題提起され、議論がなされるのか?」という議員としての興味もさることながら、私も地域住民の一員として参加させて頂きました。



昨年は、所在確認の出来ない高齢者の「存在」が全国各地で発覚し、地縁・血縁・地域縁で繋がっていたはずの我が国が、実は「無縁社会」に成りつつある実態が浮き彫りになりました。本当に驚くべき実態でしたが、決して目を背けることは出来ない深刻な社会問題です。

幸いにして、我孫子市内において「消えた高齢者」は発覚しませんでしたが、決して、対岸の火事ではありません。



我孫子市全体の高齢化率が約22.6%であるのに対して、新木(野)地区は高い所では40%前後に達する地区もあるなど、群を抜いています(平成22年4月1日時点)。

私は議会毎に地元の地域を中心に市内各地で「市政リポート(議会報告)」を配布させていただいていますが、回るたびに「空き家」が増えており、住宅街では子供はおろか住民とすれ違うこと自体少なくなりつあります。



当日は、呼び掛け人となった宅老所の「虹の家」の高井さん、そして、在宅介護支援センター「アコモード」の岡安さんから「高齢者見守りネットワーク」の構築の必要性や背景についてお話があった後、「組別」に分かれてグループ討議(各10名ほど)を実施し、見守りの際のポイントとなる「日頃と違う、ちょっとしたサイン」について意見を出し合いました。

・郵便受けに新聞がたまっている
・電気がつけっぱなし、または、夜になっても灯りがつかない
・雨戸の開け閉めの形跡が無い
・エアコンが作動していない(作動しっ放し)
・電話がつながらない
・洗濯物が取りこまれていない
・道路やお庭の掃除が(突然)されなくなった
・ゴミだしに来ない
・お買い物で見かけない
・行事に出てこなくなった
・お台所での動きが無い


これらのことは本当にちょっとした事なのですが、
こうした「ちょっとした変化」に気付くか?気付かないか?で、対応が大きく異なってきます。



「向こう三軒両隣」と言っていた“日頃親しく付き合っている近隣”を表す用語も、今は「懐かしさ」さえ覚える言葉と化してしまいました。


「他人様には出来るだけ関わらない」「他人に関わって欲しくない」という風潮が蔓延してしまったことや、「個人情報保護法」の施行に伴う過度の個人情報に対する意識も、加速度的に状況を悪化させた要因として考えられます。

不審者情報や空き巣の被害件数も増えていく中で、ジロジロト家内を見られるのは良い気分がしないのは事実ですが、「ご近所さんどうし」で、こうした変化に気が付かないとなると、やはり異常であると言わざるを得ません。


監視型の社会を奨励する考えは毛頭有りませんが、常識的な範囲で他人の行動に関心を持つことは地域社会を成立させる上で不可欠の要素です。すべてを行政に委ね、カバーしてもらうことは出来ません。


「自助→共助→公助」の言葉は、災害時の心構えとしてよく使われる言葉ですが、「見守り」の観点や、さらに治安維持の観点でも不可欠の認識です。言うまでも無く、「安全・安心の地域づくり」には一人ひとりの地域住民の参画が不可欠です。



当日の会の最後に「見守り協力員」の募集の話が提起され、<見守り協力員のみなさまへ>と題したカードが配布されました。私も同席されたご近所のお母さんも、「あまり難しく考える必要はなく、気づいたら動くということに尽きるのではないか?」と感じました。

全市民が「責務」とは言わずとも、「我がこと」として感じるくらいの「意識付けや動機付け」、「情報提供の徹底」に行政や関係団体は力点をおくべきと私は思います。


自治力(地域力)が問われる切実な問題ですが、難しい話では一切ありません。

市民・行政・議会・民間企業等を問わず、この地にご縁をいただいている全ての関係者の間断なき意識的な取り組みさえあれば、お金をかけずとも一定の解決が見込める問題だと私は思います。


posted by 久野晋作 at 19:11| 千葉 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする