発言通告はこちらです。
録画中継はこちらです。
☞ 大綱一点目は市長公約の検証と総括についてです。
☞ 質問の一点目は公約についての自己評価を問う。です。
☞ 現在、政策選択型のマニフェスト選挙が全国各地の自治体選挙において広く導入され浸透しています。マニフェストとは、従来の選挙で行われていた「口約束的な選挙公約」ではなく、「選挙後にその中身を具体的に検証できる公約」のことであり、「有権者との契約」と言えます。
☞ マニフェストには政策の中身はもちろんのこと、「数値目標、実施期限、政策の財源」などを明示することが求められるため、何でもかんでも盛り込んでいた、「あったらいいな」という従来の選挙公約とは明らかに異なります。
☞ こうした流れの中で平成19年1月に我孫子市長選が行われ、星野市長は「17本の公約」を掲げて当選されましたが、来年一月の選挙を迎えるにあたり
公約はどこまで達成しているのか?(達成)していないのか?
公約を達成すべく、どこまで努力していたのか?(努力)していないのか?
公約を実現した結果、どのような効果があったのか?なかったのか?
☞ 主権者である市民は、公約の内容と現状を一つ一つ確認し、
☞ それぞれの立場から検証する必要があると考えます。
☞ この間、私たちの会派では、本会議や委員会審査など、内外様々な場で公約の履行状況の確認をし、報告と検証の場を持たせていただきました。質問項目としてあげた公約の履行状況についての私たちの評価内容につきまして、以下のとおり申し上げます。
まず、公約1:「成田線・常磐線の利便性を向上させます!」についてです。
☞ 成田線の利便化は市の最重要施策の一つであり、本市が持続可能な自治体として存立する為には不可欠の政策課題です。その意味において公約の妥当性に全く異論はありません。星野市政では、沿線自治体の組織再編をし、JRへの要望もメリハリをつけた形にしましたが、市の取り組み結果としての具体的な成果は見受けられることはありませんでした。「JRとの関係は良くなっている」との認識が、増発はおろか、ダイヤ改正、特別快速の停車など、目途とする利便化の実現に結びついていないことについては反省を要する所だと思います。
☞ 特徴的かつ問題点を挙げるとすれば、星野市長就任の年・平成19年9月、実施計画に位置づけられていなかった「我孫子駅南北自由通路整備事業(我孫子駅舎の改造)」について補正予算で計上したことです。
☞ この間、議会内外において様々な議論を戦わせてきましたが、平成22年3月、市長は事業化を見送り、結果として約5千万円もの血税を無に帰すことになったことは厳しく指摘しておかねばなりません。
☞ 様々な外的要因があったとはいえ、星野市政に計画性や先見性がないことが顕著に現れた事業といえるかと思います。
☞ 成田線沿線では、一部の地域を除き、若年世代の転出と高齢化の進行が顕著であり、人口減少子高齢化が常態化しつつあります。市における若年世代の定住化施策が西側の地域に偏ったものになれば、市全体としてバランスを欠いた人口分布となり、そのことに起因する課題、【例えば、待機児童・空き家の増加・コミュニティの崩壊】などを引き起こしかねず、既にそれらの問題が顕在化している地域もあります。
☞ JRという相手あっての交渉ごととはいえ、相手方の都合に合わせて「色よい返事・色よい回答」を待つといった姿勢にはピリオドを打たねばならないと考えます。座して死を待つわけには行かないのです。
☞ 本年3月の会派代表質問において提案させていただいていますが、「バス便の活用」等により朝の通勤時間帯や帰宅・夜間帯の利便性の向上策など、市民の利便性向上を具体的に検討すべきタイミングではないかと考えます。またこの間、何度も改善を要求してきましたが、市民への説明責任の履行が不十分です。市が「JRとどのように交渉を進めていて、JRの見解はどうであるのか」について逐次報告が必要です。
次は、公約2;「16号バイパスを手賀沼迂回ルートで建設します!」についてです。
☞ そもそも、この公約自体に自治体の公約としての的確性があるか甚だ疑問です。
☞ 昨年夏の政権交代により、当該事業の実現可能性は限りなく低くなったものと予想されますし、沿線自治体で構成される千葉柏道路検討会自体、平成20年7月10日以来ルート実現に向けた動き「が」ありません。
☞ しかし、こうした流れの中で、現在行なっている基本構想の見直しの視点に「骨格道路の整備のまちづくりへの活用」として、千葉柏道路の整備を盛り込んでしまっています。
☞ 実現可能性の低い道路計画、しかも、事業化されてもいない計画を前提として、市の最上位計画である基本構想を見直しすることは非常に問題があると言わざるを得ません。前提条件が明確出ない中での検討はあくまでも検討に過ぎず、市の最上位計画を見直す視点に組み入れるなど「持っての外」と言って過言はないでしょう。
☞ この公約に関しての私たちの評価は極めて低く、検証可能性、公約の妥当性・的確性、市の事業の中での優先順位のいずれの視点においても「×」の評価をしています。
次は、公約3:「工業アパートの新設により住宅地・工場混合を解消します!」についてです。
・ この事業に関しても、我孫子駅南北自由通路整備事業と同じく、平成19年9月補正予算:工業系土地利用基本計画作成業務委託料が計上され、翌年の平成20年9月に調査報告書を含めて457万8千円の経費が費やされましたが、結果として、我孫子駅舎の改造と同様、平成21年3月に「事業化を当面見合わせる」ことになりました。
・ 肝心の公約内容についてですが、同年同月の会派代表質問に対し「住工混在対策のための工場アパートにつきましては、喫緊の課題であると認識しておりますので、事業化とは別に、市街化調整区域での立地を図ることができるか、庁内5課で勉強会を始めました。今後は商工会とも連携しながら検討してまいります。」と、市長は答弁しています。
・ しかし、公約実現のための最低限の条件である「住工混在解消をための調査・分析、事業者への徹底したヒアリング」などが行われていないことが明らかになっています。このこと自体、非常に大きな問題です。
・ 現在、「住工混在の解消」および「積極的に事業を展開しようとする事業者の集積」のため高度化事業を検討しているようですが、事業者のニーズを把握することもなく、行政計画を作ることは無駄に繋がり兼ねません。
・ 「住工混在の解消」や「工業系土地利用等」を可能にするために、市の最上位計画の基本構想を見直すという本末転倒の作業を行う前に、未利用地の有効活用等、「現在あるもの」の徹底的な利活用を図るべきと我々は考えます。
最後は、公約17:「市長は原則3期12年までとし、退職金についても市民感覚からの見直しをします!」についてです。
☞ この項目についても市長の当選以来、様々な場で質してきましたが、未だに明確な意思表示も、具体的な対応も、報告発表もなされていません。
☞ 市長は、「千葉県市町村総合事務組合で所管する退職手当条例の一部改正が必要となる」と答弁していますが、市独自の策として「任期満了時の給与月額を低減するだけで退職金の金額を単独で見直すことが可能になる」ことが既に判っています。
☞ 本人の意思一つで決まることです。
☞ 端的にやる意思があるのかないのか?の問題です。
☞ 任期についても、明確な施策化(条例化)もなされていません。
☞ ちなみに、お隣柏市の秋山市長は就任早々に退職金の規定の見直しを実行しています。任期満了を迎えるまで具体的な取組みを行わなかったことは政治家の姿勢(質)として非常に問題があると私たちは考えます。
☞ なお、公約の履行状況に関する調査・検証の結果、「公約実現への拘り」や「達成するという責任意識」が欠如していることが判明しました。担当課に対する「公約実現のための直接・間接的な関与の形跡」が殆ど見受けられなかったからです。
☞ このことは、公約内容の曖昧さ(抽象的であり、数値が全くないこと)に起因する部分もあるかとは思いますが、「公約履行に対する責任意識の欠如」は非常に問題です。政治に不可欠の要素は「誠」であること、そして「実行力と結果責任」であるからです。
☞ 最後に、星野市政3年7ヶ月の総括的検証を述べます。
一点目は「財政規律の欠如」です。
☞ 財政規律が強く求められている中、そもそも、公約にその観点が入っていないこと、また、二点目三点目の指摘事項にも関連しますが、財政規律を強く認識して市政運営にあたっていたとは思えません。
二点目は「時代認識の欠如」です。
☞ 私たちは、少子高齢化の急速な進展、低成長時代、グローバル化、そして、人口減少社会という、これまでにないパラダイムシフトに直面しています。首長たるものは、こうした21世紀の重い現実を認識した上で自治体経営に当たらなければなりません。
☞ しかし、星野市長は「今まで通りの発想」で市政運営を行っておられたように思います。典型的な事例としては、「土地利用方針の見直しを図る」ため現在行っている「基本構想の見直し」や、その原因・理由となっている「工業系土地利用の調査研究」「16号バイパスの建設(千葉柏道路)」などに対する市長の見識と取組みです。
☞ いずれも、時代の流れに即したものとは言えないばかりか、財政規律の観点が入っていません。また、基本構想で掲げている将来都市像や自然環境の保全の観点からも大いに矛盾しています。時代認識が欠如していると言わざるを得ないのです。
三点目は「ずさんな事業の企画立案と事業計画」です。
☞ 厳しい財政状況を考慮すれば、「なくてはならない事業」を実施するために、「あったらいい事業」は諦めなければなりません。「あれかこれか」の選択には、主権者である市民の視点で、事業の優先順位を明確につける必要があります。
☞ 「単なる思いつき」や「補助金頼み」で事業を選択することは無駄につながりますが、これまで問題になった事業には、そうした観点に基づいて選択されたと思われる事業が散見されました。事業を企画立案する場合には、リスクマネジメントも含めた綿密な事業計画を作成する必要がありますが、「我孫子駅南北自由通路整備事業」、「工業系土地利用調査研究」、そして、「我孫子インフォメーションセンター整備事業」など、これらの事業は、精緻な事業計画が作成されないまま事業が進められたため、途中で凍結されたり、延期されたり、また、事業が大幅に遅れ、多額の調査・研究費や人件費が無駄に費やされてしまいました。これらのことは改めて厳しく指摘しておかねばなりません。
以上、星野市長の掲げた公約の履行状況とあわせ、星野市政の総括をさせていただきました。前回(平成22年3月議会代表質問)に引き続き、
「四つの公約項目」につきまして、市長ご自身の評価と総括をお訊ねいたします。
なお、答弁にあたっては、「これまでの取り組み(具体的施策)」、「現状および具体的成果」、「課題」、「今後の取り組み」、そして、「自身の評価」という五つの観点を入れていただきますようお願い致します。
質問の二点目は次期公約(マニフェスト)についてです。
まず、「マニフェスト型選挙の導入(実施)についての見解」「公約の達成状況の市民への説明責任と情報開示」の「アとイ」を合わせて質問します。
☞ 狭義のマニフェストには、「数値目標、実施期限、政策の財源」が明記されていることが必須の条件と言われていますが、星野市長の三年半前の公約にはその観点がありませんでした。
☞ 以前の議会質問に対する答弁で「自身の公約はマニフェストではない」とおっしゃられました。市長の公約は「選挙公報」そのものであり、各項目は長くて三行、短いものに至っては一行で終わっています。
☞ ここでお断りしておきますが、「数値がなければダメ」という訳でも、「マニフェストが絶対だ!」という訳でも有りません。主権者である市民が、掲げられた市長の公約17本すべてに共感を覚えている、または賛同しているとは限りませんし、公約作成時の状況や想定とは異なることが十分あり得るからです。
☞ しかし、公約の検証可能性という観点で見た時に、「星野市長の公約は非常に難がある」というのが私たちの評価であり実際の所だと思います。検証なきところに総括は出来ませんし、総括なきところに、よりよい政策は生まれ得ません。
再出馬に当たっては、自身の公約ならびに姿勢運営についての評価・検証を行った上で、「細緻な公約」とまでは行かずとも、少なくとも「検証可能な公約内容(マニフェスト型の公約)」に見直ししていただき、市民に提示していただくことを切に要望します。
また、(以前も個人質問および代表質問で質しましたが)この間なされなかった「公約履行状況の報告」などの検証の機会、いうならば「市民への説明責任を果たす場」をキチンと設けていただくこと、そして、それらの内容については、自身のホームページ等において、市民に広く情報開示をしていただくよう求めるものです。以上、市長の見解をお聞かせ下さい。
次は、「二期目の公約内容についての見解」についてです。
3月の代表質問でもお訊ねしていますが、二期目の出馬にあたっての「継承項目と変更項目」についてお聞かせ下さい。端的に、「どの項目を変え(追加)し、どの項目を変えないのか」、また「その理由」について問うものです。
☞ 前回のわが会派の代表質問に対して、「2期目の公約は在任期間がまだ1年近く残っておりますから、現在の公約の実施状況や新たな行政課題の有無などを総合的に検証した後、まとめていきたいと考えております。」という答弁を頂きました。
☞ あれから半年経ちました。選挙まで5ヶ月を切るにあたり、二期目の公約内容については前回公約の総括の上、精査・準備されておられるものと思います。明快な答弁をお願い致します。