2010年05月21日

自治紛争処理委員会の勧告

5/18(火)に自治紛争処理委員会から勧告文が出されました。

この問題は、「根戸新田の農用地解除についての千葉県の不同意の違法性および取り消し」を求めて、我孫子市が自治紛争処理委員に申し立てしていたものです。

報道(地域欄)では、総じて「県の手続きの違法性」を全面に出したものになっていますが、勧告文の中身を仔細に見て行きますと「喧嘩両成敗」的な要素が強く、不同意にいたる手続きに関しての県の違法性(基準の公表がなかったことへの瑕疵・不備)を認めつつも、農用地解除を求める我孫子市の主張については疑義を呈する(精査を求める)内容となっており、とても市が「勝訴」したようなものにはなっていません。

【勧告】
千葉県知事は、平成22年2月1日付けの我孫子市の農業振興地域整備計画の変更に係る協議の申出について、平成22年2月15日にした不同意を取り消し、地方自治法(昭和22年法律第67号)第250条の2の規定に基づく基準を設定し公表した上で、本勧告の日から起算して2週間以内に、我孫子市との協議を再開することを勧告する。

【勧告文の最後の「付言」】
本件農用地利用計画変更案に付された農用地利用計画の「変更理由」において我孫子市は、「計画道路に分断され、集団的に存在する農用地の規模が20haを下回ったことにより」と記述しているが、当該記述は、我孫子市も一部自認するように、土地の実勢と適合するものではない。このことは、協議の相手方である千葉県知事との関係にとどまらず、我孫子市の住民に対する説明責任や行政の透明性の観点からも問題である。したがって、我孫子市は、再度の協議において農用地利用計画の変更理由を改めて適切かつ具体的に明らかにすべきである。



全国初の自治紛争処理の申し立てということで(関係者や専門家の間では)注目されていましたが、極めて全うな判断が下されたと思っています。

勧告文は本日、総務省のHPにアップされています。30ページ近くのもので、ちょっと読みにくい文章ですが、興味のある方は是非、直接ご確認下さい目

kunoshin / 我孫子市議会議員 久野晋作
自治紛争処理委員の勧告内容が総務省のHPにアップされました。「勝訴」でも「敗訴」でもない。実質は喧嘩両成敗。強いて言えば、分が悪いのは我孫子市かと思います。http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/29479_3.html at 05/21 17:29


kunoshin / 我孫子市議会議員 久野晋作
注目の自治紛争処理委員会の勧告が出ました。勧告内容は直接確認していませんが、速報をお伝えします。⇒【千葉県の不同意は違法=農地指定、創設後初の勧告−自治紛争委】http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010051801000883.html at 05/18 22:21


なお、明日は第六回総合計画審査会です。

この根戸新田の農用地解除も関係する「基本構想の見直し(≒土地利用方針の見直し)」が論議の大きなポイントになっています。

9時半から議会棟の第一委員会室で行われます。

お時間の許す限り、是非傍聴にお越しください。





posted by 久野晋作 at 23:59| 千葉 | 基本構想の見直し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする