<私の所感>
結論から申し上げると、「農のあるまち」とは逆の施策を取ろうとしている我孫子市に対しては「アンチテーゼ」のような講演であり、お聞きしていて恥ずかしい思いに駆られました。
環境、自然、食糧自給、水、景観が21世紀において重要なテーマであることは誰もが頭では判っています。しかし、愚かな人間は人口減かつ低成長期の成熟型社会に入ったこの期に及んでも「今さえよければ」という安易な考えや、「持続可能なまちづくり」を錦の御旗にして開発を推し進めて行こうとします。
現在話題になっている根戸新田地区の農用地解除などはその典型であり、非常に貴重な「農」の空間を自らなくそうという愚かな選択をしようとしているのです。(参照:早分かり【基本構想の見直し】)
柏をフィールドとした仔細の調査内容および結果には非常に勉強になりましたが、「我孫子ではどうだろうか?」という思いを巡らせながら講演をお聞きしていました。横張教授の講演内容からして、今、我孫子市が採ろうとしている判断は明らかに真逆です。
講演終了後に横張教授にご挨拶させていただいた折に、「我孫子市根戸新田の農用地解除の話」を切り出すと、教授はよくご存知のようでして「(我孫子市は)判っていない(≒逆行している)」という表情を浮かべられていたのが印象的でした。
まちの財産は何であるのか?
豊かさとは何か?
農の果たす役割とは何か?
時代認識を誤ると取り返しがつきません。
この間開催されてきた、まちづくり専門家会議でも、現在開催されている総合計画審議会でも「農」というキーワードが、まちづくり施策としても、志民の直感的な関心からも、必ず表出しています。
(議事録を是非確認して下さい。)
知恵を絞れば、活かせる。
本気で取り組めば出来る。
講演の中で紹介された取組みは、我孫子市なら必ず出来る事例ばかりですし、部分的には既に同様の取組みが行われています。
可能性を摘み取ってしまうのか。
それとも活かす事が出来るのか。
今、我孫子市は大きな分岐点に立っており、我々は試されています。