他にも沢山の事業があるわけですが、限られた時間の中では殆ど網羅できません。昨年秋に行われた【国の事業仕分け】には「たったの一時間の審査で何が判るのか?」といった批判が相次ぎましたが、一つの事業に一時間も費やして議論している議会は全国を探してもどこにもないと思います。正確に言えば、大きな論点に成る事業のみそれ相応の時間が費やされるくらいです。
もちろん、1,000を超える事業を一つ一つ審査すると言うのも非効率な話であり、事前のヒアリングや確認レベルで解決できるものも多分にある訳ですが、年に一度の予算審査の場。公開の場で公明正大かつ徹底的に議論を尽くすことは絶対に外してはならないと思います。このことを放棄したら「一体何の為の議会なのか?」ということになるでしょう。
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二日続けてのロングラン(?)の審査に様々な意見もあるようですが、そもそも、年間の予算を審査するに休憩(入れ替え)を含めて午後1時から5時までの時間で300億を超える予算を審査しようとしてきた事自体が間違っていると思います。そうではないでしょうか?5時きっかりに終わっていないとしても、たったの数時間で何が審査できてきたと言うのでしょうか?
もちろん、「長ければいい」と単純にいっているのではありません。中身が大切なことは言うまでもありません。質疑の模様や議事録を直接見ていただければ、「何が問題なのか」「何を問題視しているのか」よくお分かりいただけると思います。
他の議員の質疑中には聞こえるような大きな声で不規則発言を繰り返し、「早く終わらせろ」「質問が長い」といい、一方自身の質問の段になると、あきらかに質問ではなく永遠と自説を打ちまくる委員も居ます。「何(なに)をか言わんや」という感じです。質問の終局では自身の考えを述べることは有りだと思いますが、基本的なスタイルとして「一問一答」という委員会審査の申し合わせを思い切り踏み外しています。
こうした実態は、カメラ中継を入れないと市民の皆さんには絶対に伝わりませんし、改められる事は無いでしょう。何を発言しているかと言う問題や、我々市民が選び出してしまった現市長が「一体どんな態度で委員の質問を聞いているのか?答弁しているのか」という実態も。
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昨日は、千葉市議会において「新年度一般会計当初予算案の組み替え動議」をめぐって深夜まで議論が続けられていたようです。また、同じ東葛地区の松戸市議会においても「市の意思決定機関としての意思(議会意思)」を明確に働かせようとする動きがあったようです。
今回の予算審査においては、沢山の方に傍聴に来ていただいています。私も、声をかけられる範囲で呼びかけしていますが、市民の目にどのように映っているのか。非常に興味があるところです。審査に臨む態度、そこで繰り広げられる発言の中身、格調の高低などなど。
市民の皆さんには、自身の興味がある事業のみならず、出来うる限り様々な議論をお聞きいただきたいと思っています。そうでなければ「全体観」は絶対に生まれません。もっともっと皆さんの目が必要です。
そうでなければ自治体は変わりません。
市立病院予算を一部否決
松戸市会委「計上は時期尚早」
松戸市立病院(松戸市上本郷)の移転問題で、市議会の市立病院建設検討特別委員会は18日、市が3月定例市議会に提出した新病院建設事業の継続費約156億3,000万円について、「計画が定まらない段階での予算計上は時期尚早」との理由で否決した。一方、市土地開発公社が新病院の移転地として同市紙敷に購入した用地取得費約27億5,000万円と、新病院の実施設計費約3億7,000万円については可決した。
市は継続費として、2011年度に約62億2,000万円、12年度に約93億8,000万円を計上する案を提出している。しかし、2月の同委員会で、新病院建設に伴い、市立東松戸病院(同市高塚新田)と新病院の統合案が示され、新病院に関する明確な収支計画も提示されないなど、議論が尽くされていないと判断。同委員会の9人の議員から継続費を削除する修正案が提出され、11人の委員全員が賛成した。
中川英孝委員長は「新病院の建設について反対するものではないが、総額256億円を超える大きな事業であり、新病院のきちんとした展望、医療計画への影響などを検証したうえで最終判断したい」などと話した。
一方、市は同委員会で、今月末をめどに新病院の基本設計を仕上げ、今年12月から来年1月にかけて実施設計を示す見通しであることを明らかにした。
(2010年3月19日 読売新聞)