二面記事となりましたが、【平成21年度予算編成は今までにない厳しい状況に〜経常的事業で5億円の財源不足、基金残高も減少、思い切った事業見直しを】と題した予算編成過程の報告記事が掲載されています。現在来年度予算の編成中ですが、例年になく厳しい状況にあることが鮮明になっています(広報あびこはこちら・pdf)。端的に言うと、「例年どおり経常事業を実施していくと約5億円の財源不足となり、政策的事業が実施できない状況」になっています。
※経常的経費…人件費・特別会計繰出金・政策的経費以外の経費
※政策的経費…
@平成21年度から平成22年度に新たに立ち上げる事業
A既存事業のうち、新たな視点や手法で行う事業
B既存事業のうち、事業の本格実施(例:施設整備のうち建設工事など)を平成21年度から平成22年度に行う事業
詳しくは、下記の「予算編成方針」「予算要求基準」をご参照いただれば幸いですが、「あれかこれかの選択」というよりも、更に一歩進んで「何をあきらめるかという選択」をしていかなければならない財政状況になっています。
こうした状況を受けて、議会がどのように機能できるのか?
こうした状況を受けて、議会がどのように機能してはいけないのか?
試される連続となります。
1;平成21(2009)年度予算編成方針 [29KB pdfファイル]
2;平成21(2009)年度予算要求基準 [26KB pdfファイル]
■平成21年度予算編成方針(一部転載)
2.平成21年度収支概算見通しについて
現時点で算出した「平成21年度予算経常的経費の収支見通し」は、次表のとおりです。歳入については、市税が、団塊世代の退職等による個人市民税の減、評価替による固定資産税・都市計画税の減、景気動向等による法人市民税の減等により、平成20年度と比較して約5億円の減額、その他各種交付金等も減額となる見込みで、歳入全体では、約6億3千万円の減額となる見込みです。
また、歳出では、経常的経費のうち人件費は1億2千万円の減額は見込まれるものの、オオバンあびこ市民債の満期一括返還による公債費の増加(約2億円)、前年度の政策的事業費の一部が経常的経費として振り替わるなど、物件費・補助費等で約10億円増加するなど経常歳出全体では約15億8千万円の大幅な増加が見込まれます。
このようなことから、現時点での経常的経費収支見通しでは、現行どおりの経常事業を実施していくにも約5億円の財源不足となり、政策的事業が実施できない状況となっています。
3.平成21年度予算編成方針
このように厳しさを増す財政環境のもとで、自立し、持続可能な財政運営を行い、第4期実施計画に位置づけた事業を始め、市民の生活を支える様々なサービスを提供していくためには、行政経営のスリム化・効率化を更に推し進めるとともに、財源確保策の積極的な推進や受益と負担の見直し等の取組を一層強化していかなければなりません。
新たに必要な事業を行っていくためには、これまで継続してきた事業内容を改めて精査し、廃止・縮小等の見直しを徹底して行い、財源の重点配分をすることが必要です。
そこで、平成21年度予算編成については、次のように取組むこととします。
<歳入>
歳入については 歳入の根幹をなす市税収入のより一層の確保に努め、各種徴収金についても、徴収状況の点検と目標設定などの強化により財源確保に努めます。
現行制度で見込まれる国・県支出金などについては、法令や制度等を再精査し全力を挙げて確保に努めます。
なお、国の財政改革などで財源見込みに大きな変更が生じた場合は、必要に応じて調整を加えていきます。また、現在「我孫子市適正な受益者負担についての検討委員会」を設置し、現行の受益者負担を見直し適正化について検討を進めているところですが、検討結果を踏まえた各所管課における改正に対する取り組みの徹底を図り、財源の確保に努めます。
職員一人ひとりが危機感を持ち、我孫子市が置かれている厳しい財政状況を正しく認識することにより、職員が一丸となって上記の取組を含めて見直すとともに、歳入全般にわたる新たな財源確保に努めます。
<歳出>
市では、これまでも行財政改革に取組んできましたが、限られた財源の中で歳入に見合った歳出が予算の基本であるという認識のもと、さらに、各種施策の優先順位についての厳しい選択を行い、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することとします。
前述の平成21年度収支概算見通しのとおり、既に経常的経費で約5億円の赤字となっており、現状では経常的経費の予算編成さえ不可能な状況です。
そのため、事業の廃止・縮減を含め経常的経費において非常に厳しい切込みを行わざるを得ません。したがって、経常的経費については、不足している財源確保に向けて総額で5億円の削減目標額を設定します。
その実現に当たっては、部・局単位で削減目標額を設定することとし、各所管課において廃止を含め事業そのものを見直し、事業単位での再精査を行います。今回は、所管課の予算要求時点から財政課も加わり、削減目標額の達成を目指していきます。
また、第4期実施計画に位置づけられた事業だけでも、要求ベースで38億円(一般財源で約15億円)が予定されており、政策的財源を生み出す必要があります。
そのため、市民生活への影響を最小限に抑えて経常的経費を圧縮するため、行政経営推進規則による「部の運営方針」に基づき部・局長が中心となり責任をもって、行政改革の視点に基づき事業の集中、再編成や廃止などを進めることにより、部事業の全体を再構築しメリハリのある予算としていきます。
事業の見直しについては、社会経済情勢の変化を見極めながら、施策や事業の内容を踏まえ、本当に必要な事業なのかどうか、市がやるべき事業なのか、その内容や、手法などを行政評価制度や事業仕分けなどにより見直し、削減目標額達成に努めます。なお、例年以上に歳入確保が厳しいことから、事業内容・予算積算について、財政課による内容精査のヒアリングを実施し、企画財政部長、市長による調整を行います。
人件費については、義務的経費の6割近くを占め財政硬直化の大きな要因となっていることから、第4次定員管理適正化計画に基づき少数精鋭による組織づくりを行うなど、人件費全体としての所要額を前年度よりも可能な限り削減します。
扶助費についても、法定扶助費以外については、内容の見直しを実施しできる限り削減に努めます。
また、平成20年度からスタートした第4期実施計画(平成20年度〜22年度)に位置づけた政策的事業についても、事業の必要性や緊急性などの視点で、あらためて再精査していきます。特に、第4期実施計画への新たな事業の追加は、極めて緊急性・必要性の高いもの及び第二次基本計画の5つの重点プロジェクトを推進する事業に限ります。
事業推進にあたって必要な、新たな市債については、中期財政計画に基づいて臨時財政対策債を除く通常債を、概ね15億円に抑えた額に見合うものとします。
なお、予算編成過程の透明性を確保し、市民への説明責任を果たすため、新規事業の採択にあたっては、その過程の公開とパブリックコメントを実施しより多くの市民の意見を予算に反映させます。
また、補正予算及び予備費充当については、災害対策や法律改正などの緊急性が高い事務事業に限定します。
さらに、市が支出する補助金・負担金については、その必要性や効果などを十分検証し、惰性に流されず適正な執行・管理の強化を図ります。
なお、「部・局単位の削減目標額」などの詳細は、予算要求基準に示します。以上の考え方に基づき、平成21年度の予算編成を行います。