このネーミングには不愉快な思いをしていますが、私も「いわゆるロスジェネ世代」のカテゴリーに入っており、議員という立場上も、そして子育て世代でもあることから、この記事の内容は完全に他人事ではないものとして受け止めています。
私は昭和47年(1972年)生まれ。最後の膨らみ世代である団塊ジュニア世代であるとともに、社会に出ようとした正にその時は就職氷河期でした。
大学は平成7年(1994年)卒ですが、当時の就職戦線はバブルが完全に弾けたあとであり、不景気のただなか。企業は一律に採用を控えたため、その後長期にわたる就職氷河期のフロントランナーだったと思います。
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会社に都合の良いように使われ、切り捨てられる。
それは当然だとあしらわれる。
こんな世の中に誰がしたのか?
怒りの矛先をどこに向ければ良いのか…
どうしたら明日への希望を持てるのか…
連動するように、児童虐待も一向になくならない…
なんの罪もない幼子が
抵抗する力をモテない幼子が
生まれてくる親を選べぬ幼子が
外から目の届かぬ閉鎖空間で虐待され、
その果てに命すら奪われてしまう…
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何かがおかしくなっている。
政治のせいなのか?
社会のせいなのか?
企業のせいなのか?
歯車が狂い始めたのは一体いつからなのか?
1億総中流社会と言われていた我が国では、いつの間にか格差が広がり、富めるものと、そうではないものとに大きく峻別されている。
能力主義、実力主義。
資本主義経済下において、所得の開きに関して一定の理解はできるものの、あまりにも不均衡が過ぎてはいないか?
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「向こう三軒両隣が大切だ」、「地域コミュニティーが重大だ」と声高に叫べども、それどころではない。
今だけ、カネだけ、自分だけ。
行き過ぎた個人主義。
行き過ぎた資本主義。
みな余裕がなくなって、周りを顧みる余裕すらない。
自分のことで手一杯になっていく。
ここから立て直して行くには、国民の容易ならざる覚悟と理解が必要になる。表層的なバラマキ政策ではなく、問題の根っこから、正に抜本的に取り組んで行かないと取り返しが付かなくなる。
政治だけではどうにもならない。
その政治を形作っているのは他でもない国民(有権者)だから。
投票率の低下が叫ばれてひさしく時が経つ。
しかし、その傾向に歯止めがかかる気配すらない。
議員の新陳代謝(入れ替わり)は皆無に近い。
都市部の市議会議員ですら、なり手がいないのが現状。
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「このままで良い」と思っている人は、恐らく殆どいないだろう。
壊れかけている社会をどう立て直して行くか。
🔵人口減少化にあっては、生産年齢人口も自ずと減って行く。
🔵当然、自治体の歳入の根幹である市税収入も落ちてゆく。
その一方で、
🔴高度成長期に各地に立てた公共施設大規模改修・更新事業も目の前に迫っている。
🔴扶助費(民生費)に区分けされている福祉関連費用は右肩上がりで止まるところを知らない。
これらの問題をひと突きで解決してくれるような「魔法の杖」は、どこにも無い。
セーフティーネットを今一度組み直して、課題解決を先送りすることなく、愚直に一つ一つ取り組んでいくしかない。
そうでなければ、我々の子供達の未来は一層厳しいものになる。
今だけ、カネだけ、自分だけ。
などと呑気なことを言っていられるのは今のうち。
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「地元のことを何もやっていない」
「地元の祭のことばかりやっている」
皮肉めいた辛辣な言葉もいただくことも少なく無い。
でも、ちょっと待って欲しい。
本当に私の活動を見ているのか?
定期的に配っている活動報告をちゃんと見た上での発言なのか?
そう反論したくなる気持ちを堪えて、口を噤んできた。
自治体議員(地方議員)が、「単なる御用聞き」として活躍できた時代はとうの昔に過ぎている。
各地区を代表する素地を強く持ち合わせる議員が集う議会が陳情合戦になったら収拾が付かなくなる。
それで良いと思っているのだろうか?
足元の議会が、そんな議会で良いと思っているのだろうか?
そんなことをしているから、
そんなことを地元の議員に強く期待しているから、
たった一人しかいない首長の権限が必要以上に強くなっていることに殆どの人が気づかない。
そのことが持続可能な自治体経営の足かせになっていることを全く理解できていない。
自治体の歳入の根幹である市税は右肩下がりなのに。
その穴埋めをしているのは、地方債も国債という借金なのに。
「国から補助金を引っ張る」というけれど、それも税金や国債の担保あってのことなのに。
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目の前の諸課題と向き合いながら、
次世代のことに責任を持って臨むこと。
当たり前ながら、
それが現場を持つ自治体議員の責務だと痛感しています。
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「大人になれ」
「長い物には巻かれろ」
「政治は綺麗事では上手く行かない」
と、よく言われます。
でも、私は真っ直ぐでありたい。
次代を担う子供達は、
私たちの姿勢を一挙手一投足をジッと見ています。
その子供達に上記のような戯論は絶対に言えません。
上記のような情けない姿を見せる訳には行きません。
目先の損得、私利私欲(物欲・名誉欲・権力欲)などのために、一人の親として、一人の人間として、そして、有難くも我が国に生を受けたものして、なくしてはならない大切なものを棄てる訳には行かないのです。
もちろん、今一度、市議として働く機会をいただいた以上、市政の向上ならびに発展に為すべきことについては人一倍汗を掻き、知恵を絞り、発言・行動し続けて行きます。
長文になりましたが、最後までお付き合いくださり、誠にありがとうございます。
我孫子市議会議員 久野晋作 拝