こんばんは、我孫子市議会議員の久野晋作です。
本日2時から、12月議会(平成30年第4回定例会)最終日となる本会議が開会され、今定例会に上程された各議案や請願についての「審査結果報告→討論→採決」が行われました。
私は、会派を代表して、市長他3役(副市長・教育長・水道局長)の給与の増額改定の議案(
議案第3号:我孫子市常勤の特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定)に対して、議場の議員の賛同を得るべく反対討論を行いました。
残念ながら、多数の議員の賛同を得ることは出来ず…😓
第3号議案については「賛成14人、反対9人」で多数をもって可決承認されました。
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今定例会に上程された議案は全て可決承認されましたが、細かく見ていくと賛否が別れた議案が少なくありません。
議員別の採決結果の詳細につきましては、明日我孫子市議会web-siteにて公開されますが、当該議案も含めて二つの議案、継続審査となっていた請願について反対し、その他の議案については賛成いたしました。
🔴追記 12月議会採決結果一覧(12月21日公開)*別画面にてpdfが開きます
🔵議会録画中継(平成30年第4回定例会 委員長報告・討論・採決)
→8分過ぎから討論が始まります。
賛否は問わず非常に頭を悩ませましたが、どんなに悩んだとしても、上程された議案(予算案含む)や請願・陳情に対する最終的な議員の意思表示は、賛成か反対かの二択です(退席という裏技…もあります…が😓)。
正しいか、間違っているかということではなく、それぞれの信念と時々の判断に則って結論を下した結果であり、その判断に説明責任と議決責任を負うのが議員です。
今後厳しい財政状況を迎えていく中で、益々判断が難しい議案や事案が多くなっていくものと予想していますが、持続可能な自治体経営のため、そして、選ばれるまちに向けた最適解を目指して悩み、考え、伝え、議論し、行動して行く所存です。
以下、討論原稿です。
ご一読いただければ幸いです。
議案第3号:我孫子市常勤の特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について、会派を代表し、反対の立場で討論いたします。
@まず初めに「財政面の理由」です。
この議案は一般職の職員にかかる人事院勧告による「給料月額等の引き上げ」を考慮して、過去4年分の人事院勧告を尊重し、その積み上げ分として来年1月1日から給料月額を約1.1%引き上げ、期末手当の支給割合を改定するため提案されました。
★★★ 増額分 改定後の月額
市長 9,000円 846,000円
副市長 8,000円 724,000円
教育長 7,000円 662,000円
水道局長 6,000円 643,000円
次年度予算では、4役合計約85万円のアップとなります。現在、来年度の予算編成が進められていますが、厳しい状況に変わりはなく、理事者が給与を上げられるような財政状況にあるのでしょうか?
直近では、半世紀に一度迎える大きな事業となるクリーンセンターの更新工事を控えており、第1期工事において、約140億円もの事業費を想定しているところです。また、クリーンセンターのみならず、各種公共施設等の更新時期を迎えていくにあたり、今以上に厳しい事業選択を迫られる環境を迎えていくことは間違いありません。
補正予算審査において、市の貯金である財政調整基金の年度末残高は18億2,050万円になるとの報告も受けた所であり、目減りの傾向は顕著です。
こうした状況を鑑み、理事者の給与改定は、果たして今行うべきことなのか?
非常に違和感を覚えます。
A次に「職員の士気」の問題です。
厳しい財政状況を踏まえ、平成22年度から、1級を除く一般職の給与の独自削減を行なっています。
この間、数次の延長が重ねられており、平成25年度の改正においても、
2級(主任)から4級(主査長)まで 2%
5級(課長補佐)は 3%
6級(課長)および7級(次長・部長)は3.5%
と、当分の間、減額を行うこととしています(人件費換算で総額約1.8億円以上になると思われます)。
一般職の職員の皆さんに独自の給与減額を受け入れていただいている中で、市の4役の給与改定を行うことについて、職員の士気への影響が非常に懸念される所です。
余談ながら、昨年度の専決処分事項の未処理案件17件、生活保護費・児童扶養手当に関する事務処理誤り、今定例会においては、湖北地区公民館の指定管理者・募集要領の不備により、指定期間の変更についての条例が上程されるなど事務処理誤りが続いています。
こうした中での給与改定の提案には疑問がぬぐえません。
B最後に民意についての認識です
今回の市長提案に対し、賛成の人もいれば反対の人もいます。常任委員会および予算審査特別委員会の審議において、市長からは昨年10月に開催した報酬審議会の諮問結果、そして市長が対話した市民の声などを踏まえて判断したとのことですが、逆に「今、上げる時なの?」と考える方々も少なくありません。
市議会は二元代表の一翼を担う本市の意思決定機関です。当該議案の審査が付託された所管である総務企画常任委員会においては、芹澤委員長からの報告のとおり「多数をもって否」と決しています。
最終的にはこの後に行われる、採決で賛否が決しますが、賛否が拮抗するもの、とりわけ人事に関することや自らの処遇等に関わる議案については慎重に対応するべきです。
もし、「多数の賛同が見込めるから押し通そう」と考えているのであれば、それは民主主義の曲解です。
議案を提案するものは、原則として、可能な限り多くの議員の賛同を得られる内容と環境を作るべきではないでしょうか。
これから本格的に迎える厳しい財政状況の中で、何を選択し何を諦めるかという局面が益々増えてくることでしょう。
その中で、全会一致・全員一致ということは、より難しい状況になると考えますが、それでも、人事編成権・予算編成権・議案上程権・予算執行権という強大な権力をもつ市長は、可能な限り多くの議員の賛同を得られる内容と環境を作るべきです。
昨日の予算審査特別委員会の質疑において、「総務企画常任委員会の審査結果を踏まえ減額修正を行う考えはあるか」とお聞きしたと、残念ながら「その考えはない」との答弁でした。
よって、意思決定機関である我々議会として、給料改定の根拠条例となる本議案を否決すべきと考えるものです。
江戸時代中期、領地返上寸前に陥った米沢藩再生のきっかけを作った上杉鷹山公は、自ら率先垂範して節約に努めたと言われています。
上杉鷹山公は多くの意見に耳を貸し、お金の出入りを明確にさせ、財政の全体を明らかにし、役人や領民の協力と理解を求めた名君と言われており、第35代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディが尊敬する日本人政治家としても有名です。
指導者の生き様、背中、言行を部下や市民は見ています。
議員各位の賢明なる判断を心から願い、討論の主旨にご賛同賜りますようお願い申し上げます。
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議会録画中継(平成30年第4回定例会 委員長報告・討論・採決) →8分過ぎから討論が始まります。
(*壇上における言い回しは、原稿と若干異なる部分がありますがその点ご容赦ください)
posted by 久野晋作 at 18:00| 千葉 ☁|
議会報告(一般質問他)
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